神楽坂の新しい流れ

朝から校正の仕事をやってから、夕方、飯田橋へ。土日なので、神楽坂通りには歩きにくいぐらいヒトが多かった。〈ムギマル2〉に行くも、下も上も満員。どうにかスペースを見つけて座ると、テーブルの向こう側に座っていた男女から声をかけられる。なんと、〈音羽館〉のバイトのヒトだった。顔も名前も覚えてなくて、スマン。今日の二階堂和美ライブに来たという。そのうち、〈古書ほうろう〉の山崎・神原の「五号荘」コンビもやってくる。音羽館とほうろうの相席だ。


まんじゅうとチャイで一息ついてから、〈シアターIWATO〉に行くと、もう開場していた。まだ客が少ないので、前から2列目という位置に座れた。ピアノの真ん前だ。セルフサービスのワインを飲んだりして待つうち、満員になる。桟敷席にぎゅうぎゅうで、200人は超えていただろう。「うたのIWATO」は今回で二回目。二階堂和美は去年も出ていたが、そのときは曽我部恵一を見に行ったのだった。今年はKILLING TIMEも出ていたとあとで知る。そっちも行きたかったな。


7時過ぎにライブ開始。生駒祐子(アコーディオン)の伴奏で、エディット・ピアフの「愛の賛歌」を歌う。渋谷毅(ピアノ)も出てきて、3人で。昨年の渋谷〈クアトロ〉でやった曲が多いが、音数が少ない分、そして歌い手と聞き手の距離が近い分、歌が直接入ってくるカンジでよかった。渋谷さんがブログ(http://blog.carco.jp/)で書いていることが、二階堂和美という歌手をよく表している。

しかし二階堂和美はすばらしい。安っぽくなく、といって深刻でもなく、歌が上手で、普通で、でもときどきこわれたり、また場合によっては天使に見える、なんて歌手はそうはいない。


今日の聴き手は、二階堂和美の変幻自在さをたっぷりと楽しんだと思う。前半、一人になってからのMCは歯止めが利かなくなった子どものようで、まさに「こわれている」状態だったが、みんなやさしく見守っていた(ぼくは疲れました)。終わったら10時過ぎていた。


それにしても、〈IWATO〉はいい場所だなあ。どんな企画でも、自由に対応できるところがイイ。コレがあることで、これまで殺風景だった大久保通りが盛り上がっている。不忍ブックストリートにもこんなハコが欲しいと、五号荘と話した。最近創刊したリトルマガジン『イワト』も小ぶりで、ちょっとした読みどころが多くて、いい雑誌だ。


日曜で休みの店が多いので、大久保通りのラーメン屋〈伊太八〉に二人を連れて行く。旬公は「店のヒトが変わってぜんぜん美味くなくなった」と、すっかり行くのをヤメているが、ぼくはときどき来たくなる。メンマをつまみにビールを飲み、ギョーザと醤油チャーシューメンを食べて満足。たしかに以前ほどの感動はないけど、やっぱりラーメンっぽいラーメンですよ。カフェ、ライブ、ラーメンと大久保通りで過ごした日曜日だった。東西線→千代田線で西日暮里に帰り、旬公と一緒にウチへ。