「中里ブルー」の力

写真家・中里和人さんの新刊が2冊出た。中野純(文)との共著『東京サイハテ観光』(交通新聞社、本体1800円)と写真集『4つの町』(清流出版、本体3600円)。前者は未入手だが、後者を版元から送られてきた。


4つの町というのは、4つの場所ではない。「褪色の町」「黒い町」「原色の町」「白い町」と、中里さんがその町に感じた色ごとに、複数の町の風景をまとめている。どれもいいが、やはり「原色の町」(津軽)の色が強烈。とくに青。中里さんの写真では、空や建物の青色がいつも際立っているが、この原色の青は強い。他の部分にもくすんだ青、淡い青などが登場する。「中里ブルー」と呼びたくなるほど、青に特徴がある。


『東京サイハテ観光』刊行記念に以下のイベントが。

『東京サイハテ観光』房総ツアー
期日:2月16〜17日。1泊2日。東京出発・帰着(千葉方面でも乗り降り可)
費用:27000円 (宿代2食付(勝浦の海辺の民宿)・ バス代・新刊書「東京サイハテ観光」付)
募集人員:20名(先着順・定員になり次第終了)


内容:ヒカリモ、黒潮ジャングル、夢の桟橋、サハリン岬、民家トンネルなどなどを巡り、夜には中野純のナイトハイクもあります。
また、オマケとして、日本三大朝市の一つ勝浦朝市にも寄ります。
全行程マイクロバスで移動。


sana1956@w8.dion.ne.jp
電話090*3689*3740 中里和人


というものですが、ひょっとしたらすでに予約が埋まっているかもしれません。ぼくも行きたかったけど、残念ながらこの辺りに東京にいないのです。


鈴木慶一のブログを見て、漫画家の鴨沢祐仁が亡くなったことを知る。この十年ほど、ほとんど仕事ができない状況だったというのは聞いていたが、自宅で転倒して誰にも見取られずに亡くなったとは悲しすぎる。自身のブログ(http://blog.goo.ne.jp/kamonegi_001/)には1月8日の記述があるが、その4日後ぐらいに亡くなったらしい。コメント欄が追悼欄になっているのは、月本裕氏や〈黒猫堂〉の高橋由美子さんの場合と同じ。鴨沢さんは『季刊・本とコンピュータ』創刊号(1997年7月)で「書物に乗って」という4ページのマンガ(せりふはなし)を描いているが、入稿はぶっちぎりの最後で、ほかの記事がぜんぶ校了になった後に、担当の仲俣暁生さんが印刷所に原稿を持っていった記憶がある。