まだ始まってもいなかったのに

停滞の日々続く。そんなときに、「書店員ナイト」のメーリングリストで、〈calo〉の石川さんが「悲しいお知らせ」を伝えている。京都の〈黒猫堂〉(http://www011.upp.so-net.ne.jp/kuronekodo/)の店主・高橋由美子さんが、心不全で亡くなったというのだ。石川さんのメールによると、亡くなったのは18日(推定)ということだが、高橋さんのブログ(http://bookshopkuronekodo.blog107.fc2.com/)には、1月16日に風邪を引いていると書いてあった。先日の月本裕氏の場合もそうだけど、亡くなる直前までのコトバがウェブに残されているというのは、とても不思議な気がする。


〈黒猫堂〉については、昨年8月11日(http://d.hatena.ne.jp/kawasusu/20070811)およびその翌日の日記に書いている。新しいブックカフェができたというので、〈BOOK ONN〉の中嶋さんと覗きに行った。〈アスタルテ書房〉の近くの小さなビルの、急な階段を上がった二階にある、ホントに小さな店だった。古本は奥の本棚2本分、手前に新刊・ミニコミが置いてあった。右側がカウンターで、その中に高橋さんが立っていた。片腕を釣っているので、どうしたのかと訊くと、「酔っ払って、そこの階段から落ちたんです」と云う。「私が落ちたので、階段に手すりが付いたんです」と笑っていた。ぼくより年下に見えるが、こりゃあナカナカの豪傑だなあと思ったものだった。


翌日も大井由紀子さんを案内して行ったのだが、二日とも本は買わなかった。持っている本が多かったし、まだこの店のカラーみたいなものが出ていないと思えた。これから何度か通ううちに、どんどん良くなっていくのだろうな、という予感みたいなものはあったが、その後、京都に行く機会がなく、その予感を確認するコトはできなかった。この店や高橋さんとの縁は、まだ始まってもいなかったのに、突然終わってしまった。残念です。


書肆アクセスという本屋があった』が、『出版ニュース』1月下旬号の「情報区」で紹介、『週刊朝日』の書評欄で書評(土屋敦氏)が掲載されました。神保町のオタさんによると読売新聞にも載ったらしいけど未確認。塩山本の書評が載った『週刊アスキー』はこれから買いに行ってきます。