「幻影城」を飲む

kawasusu2007-12-16

朝8時起き。そばをゆでて食べてから、仕事場へ。あと600ページとなった本とは別に、『進学レーダー』の書評本の残りを読んで、原稿を書く。そのうち一冊は、最相葉月監修『星新一 空想工房へようこそ』(新潮社・とんぼの本)。最相による評伝『星新一 一〇〇一話をつくった人』(新潮社)に入るべきグラビアページが一冊になったとでもいえる本で、ショートショートを書くためのメモの写真を見るだけでもうっとりする(坂本真典さんの写真もイイ)。関係者の寄稿のうち、星新一の娘のマリナのエッセイが素晴らしい。短い断章ごとに落ちがあるのが、父親譲り。「消したいテレビ」という文章は泣けてくる。できたら、マリナさんに『父・星新一』という本を書いてほしい(ひょっとして、新潮社が依頼済みか?)。それに対して、晩年の星新一が目をかけて、蔵書の一部を譲ったという江坂遊のエッセイはたるみきっている。この半分の長さで十分だ。


写真家の本多正一さんから宅急便届く。開けてみたら、三重県名張で生産されている日本酒「幻影城」の純米吟醸ではないか。本多さんも寄稿してくださった『書肆アクセスという本屋があった』を編集したご褒美らしい。ありがとうございます。飾っておいてもいいが、ちょっと飲んでみたくなり、原稿の区切りがついてから、開けてみる。すっきりとした、飲みやすい味だった。そのあと、うどんを釜玉にして昼飯。


書評の本の続きを読み、夕方に〈往来堂書店〉。伊藤理佐『おいピータン!』第10巻(講談社)、きたみりゅうじフリーランスのジタバタな舞台裏』(幻冬舎文庫)、杉森久英大政翼賛会前後』(ちくま文庫)、岩瀬達哉『完全版 年金大崩壊』(講談社文庫)と『ブルータス』読書特集を買う。〈ブーザンゴ〉で東川端参丁目さんの取材。そのあと、〈不思議〉とブックオフ経由で〈古書ほうろう〉へ。退屈男くん、『HB』橋本さん(くん、さんの違いは年齢ではなく、その人に慣れたかどうかで決まる)と待ち合わせ。4人で〈小奈や〉。そのあと仕事場にご案内。別にこの日のために片付けたワケではないが、いいタイミングなのでちょっと自慢したくって。一度来たコトある退屈くんは「おお、奥まで通れる〜」と感心してくれたが、他の二人は初めて来るので、こんなもんかと思ったようだ。チッ。やっぱり入り口に片付ける前の写真を貼っておくべきだったか。棚からモノがすっと引っ張り出せるのが嬉しくて、つい、昔の日記とか見せてしまう。12時すぎに解散。


来年、『路上派2006』(遅れてます、すいません)の刊行記念に、「南陀楼の日記を読み上げる会」というのをやるか。誰か声のいいヒトに読んでもらって。ドコを読むかは退屈くんとセトさん(初めて中学生のときの日記が面白いといってくれた人なので)に決めてもらって。この際、「マル秘ノート」(たいした秘密ではない)も出そうかな。会場提供してくれるところがあれば、マジに考えます。