「煤けた場所」にいたはずの自分

朝7時起き。「書評のメルマガ」を編集して発行。弟一家と一緒に、大社町の〈島根ワイナリー〉へ。お土産の出雲そばなどを買う。ウチに帰り、『楽園』を読了。『模倣犯』とは登場人物がダブるだけで別のハナシ。むしろテーマ的には『火車』のほうが近いか。ただ、『模倣犯』を読んでないと、判りにくい描写がある。バブル最盛期に生きたある人物の心情に、「テレビや雑誌で見ると、世の中はこんなに明るくて豊かににぎやかなのに、自分のいるこの場所は煤けている。こんなの不公平だ。不当だ、何が何でもここから抜け出して、あたしもいい思いをするんだ」とあるが、ぼくは鈍かったのかなんなのか、自分が「煤けた場所」にいることに気づかなかったのか、不公平だという気持ちを抱いたことはなかった。有形無形にバブルの恩恵に預かっていたからなのか。


旬公は今日もネットカフェへ。ぼくは昨日送った原稿の直しなど。ダイヤルアップで遅い上、つないでいると突然回線が切断されてしまうコトがたびたびある。効率の悪いことこの上ない。ネットサーフィンに無駄に時間を使わなくて済むのは健全だが。今年の年末には実家にADSLを導入することを決める。7時、深夜バスに乗る旬公を駅まで送る。そのあと、みんなで夕飯食べて、明日の準備。持ちかえりの仕事は、3分の2残して、そのまま東京行きの宅急便に押し込められた。東京に戻ってからがキツイなあ。


明日が5時半の特急に乗って京都へ向かう。下鴨&下亀のダブル古本市だ。夜はすむーす友の会。京都、あっついんだらうなあ。