〈ヒナタ屋〉で田川律さんとトークやります

まずはお知らせ。

『カフェ・ヒナタ屋でやる「ぐるり的音楽生活」フェア』


期間:2007年7月18日(水)〜9月8日(土) 11時30分〜22時(LO:21時)
※会期中のお休み:日曜・月曜・祝日(定休日)、8/12〜15(お盆休み)
会場:カフェ・ヒナタ屋
千代田区神田小川町3-10 振天堂ビル4F/TEL&FAX03-5848-7520
   e-Mail:hinata.ya@ivory.plala.or.jp
   HP:http://www4.plala.or.jp/HINATA-YA/
*「新御茶ノ水」(千代田線)、「神保町」(半蔵門線・都営新宿線都営三田線)、「御茶ノ水」(JR総武線・中央線)、いずれの駅からも徒歩5、6分。


 ビレッジプレスリコシェ企画でビレッジプレスのイベントを開催します。
 コーヒー1杯分の情報マガジン『ぐるり』と『雲遊天下』の最新号からバックナンバーと音楽関連本の「ビレッジプレス・ブック・フェア」です。
 また、ビレッジプレスが選んだCDの展示販売や、トークショー、ライブなど「ぐるり的音楽生活」をたっぷりと楽しめる内容になっています。
 ビレッジプレス五十嵐洋之の気になるCD&本のミニコーナーもあります。お楽しみに!
 会場は、2007年春にオープンした神保町のカフェ〈ヒナタ屋〉です。明大通りを一望する眺めの良い、のんびり、ゆったりとした時間が過ごせるお店です。是非遊びにきてください。


トークショー
ヒナタ屋4階トークvol.1「アヤシイ二人の東京・街歩き術〜音楽・人・本への小さな旅〜」
 『ぐるり』執筆陣である田川律さんと南陀楼綾繁さんを招いて、街歩きの楽しさ、それに必要なアンテナの張り方や広げ方などについて語っていただきます。


出演:田川律(舞台監督)× 南陀楼綾繁(ライター・編集者)
日時:2007年8月4日(土) 17時半〜(受付開始17時)
参加料:800円(1ドリンクオーダー別)
定員:20名
予約:カフェ・ヒナタ屋へメール、FAX、電話のいずれかで受付いたします。お名前、人数、ご連絡先をお知らせください。お電話でご予約の場合は、営業時間内の14時以降でお願いいたします。


《『ぐるり』企画ライブ》
ヒナタ屋4階ライブvol.1「平井正也松倉如子 with 渡辺勝」 


出演:平井正也マーガレットズロース)、松倉如子 with 渡辺勝
日時:2007年9月7日(金) 19時〜(受付開始18時半)
料金:1,500円(1ドリンクオーダー別)
定員:20名
予約:カフェ・ヒナタ屋へメール、FAX、電話のいずれかで受付いたします。お名前、人数、ご連絡先をお知らせください。お電話でご予約の場合は、営業時間内の14時以降でお願いいたします。


ところで、田川律さんって「たがわただす」とお読みするんですね。いままでずっと「りつ」と読んでいて、著書に「ただす」と読み仮名があるのにも気づかなかった。だって、みんな「たがわりつ」って呼んでるぞ。


朝6時半起き。どうも早起きの癖がついた。東京新聞の朝刊を見て爆笑。情報欄で〈日本橋高島屋〉で開催中の「瀬戸内寂聴展」に関して、梅原猛の書の図版が載ってるが、小学生のような字で「桃源郷はここ」と書かれているのだ。図版とても掲載したいが、ヤメておこう。寂聴展になぜこの書が出てるかは判らないが、アンタの頭の中が桃源郷じゃないのかい(寂聴も)。


トイレに入って座ったとたん、精興社のKさんから電話。タイミング悪い。そのあと仕事場でトイレに入ったときにも、電話が鳴り出られなかった。着信を見るとKさんだった。そのあと、懸案の事項について電話連絡、ひっきりなし。とても原稿書く心境に至れず。1時半ごろ、昼飯を食べに出て、郵便局など回って帰る。


5時半、〈ブーザンゴ〉で『yom yom』次号の打ち合わせ。3号も増刷したそうでおめでたい。次号のテーマ、「◎◎◎」に決まる。その最中にKさんの携帯に電話。「えっ? 講談社ノンフィクション賞星新一に決まった!?」。もちろん、最相葉月星新一 一〇〇一話をつくった人』のコトね。『yom yom』第3号で最相さんが星新一の遺品を整理した話を興味深く読んだが、この際、新潮社が星新一の遺品・蔵書目録を刊行すべきではないかと進言する。タクシーで田端に出て、〈がらんす〉へ。旬公も後から来て、いろいろ盛り上がる。なるほどなー、というハナシがいろいろあった。11時ごろに解散し、西日暮里に帰る。


本の雑誌』8月号届く。上半期ベスト1ということで、小沢信男『通り過ぎた人々』(みすず書房)についてのぼくの談話が載っている。それから、今号の津野海太郎サブカルチャー創世記」は一同必読! 晶文社バラエティ・ブックの起源が明かされている。植草甚一が古い革トランクに書いたものの切抜きを投げ込んでいて、そこから「植草甚一スクラップブック」が生まれたことは有名だが、その前に「あの革トランクをそのまま本にしてしまう」案があったらしい。「コラージュや手書き原稿のコピーをふくむ色とりどりの紙片やパンフレットをトランクがわりの箱に賑やかにつめこんでさ、などとけっこう本気で考えた」というのだ。そして、津野さんはこう書く。

植草さんだけでなく、双葉さんも小林さんも小野さんも筒井さんも、たとえていえば、それぞれに大きな革トランクをもっていて、そのなかみ(雑誌などに発表したまま本にならなかった大量の切り抜き)を編集者が自由につかわせてもらうことができた。そういうぜいたくな条件がなければ、充実したバラエティ・ブックなどつくりようがない。七〇年代後半になると、晶文社の刊行リストからこの種の本が減ってゆく。私があきたという理由も多少はあるが、それ以上に、世の中にサブカルチャー本が急増し、それにつれて著者のトランクのなかの蓄積がとぼしくなってしまったのである。


なるほどなぁ。バラエティ・ブックから少しズレるかもしれないが、サブカルだけでなく、かつては著者があちこちに書いた文章を、時期が着たら一冊にまとめる、ということがわりと多かった。評論集にしろ雑文集にしろ、書名とまるで関係のない文章が入っていて、それがけっこうオモシロかったりした。しかし、いまは雑誌に連載したものをそのまま一冊にするか、テーマを決めてその枠に収まるものを集めた本がほとんどだ。雑多なものを編集者のセンスでつないでまとめた本は、売りにくいのだろう。著者としても書いたものから良い分だけつまみ食いされてはたまらない、という気もあるのかもしれない。でも、編集者としてのぼくは、いま、いろんなヒトのまさに雑文集がつくりたいし、(大売れはしないにしろ)きちんと読者に届く本ができるという確信はある。だけど、いまの出版界では、そんな姿勢よりも売り上げデータに直結する本こそ求められているのだろうな。