〈上野オークラ〉前に集った人々

明日午後に戻すゲラをずっと。やっとメドがついてきた。明日が〈上野オークラ〉での最終日の山崎邦紀監督《社長秘書 巨乳セクハラ狩り》を観にいこうと、映画館に電話するが、出てきたおばちゃんに「作品名を云え」とセクハラを受ける。「巨乳セクハラ」とか云いたくなかったし、それ以前にタイトルなんて覚えちゃいないので、「山崎邦紀監督の……」と説明したのに。
 

6時半に旬公と家を出て、上野まで山手線。不忍池近くの映画館までやってくると、前に塩山さんが立っていた。「アンタたちも観にきたのか。オレたちもこれからだよ」と。同行の男性が旬公に「ココの二階は女装した連中のハッテン場だから、大丈夫!」とタイコ判を押す。女装っぽいカッコだと云いたいのか? さらにS社のTさんとK書店のYさん(二人とも女性)もやってくる。なんで、しめしあわせもせずに、こんなメンツでピンク映画館の前にたむろしてるのだろう。


映画は前半快調、後半かったるし。サボテンに水気を与えるシーンに3分近く要するフェチ描写は、さすがに「会津なまりのタルコフスキー」(塩山)の面目躍如といったところ。編集部のシーンでは、女秘書に男がセクハラするシーンでの、エキストラ・畠中さんの受けの演技が光る! 手を微妙にふるわせてみたりして、女優やのぉ〜。カメラの位置が畠中さん向きだったので、旬公の演技はよく分からず。。本棚に旬公の『世界屠畜紀行』がささっているのが、ぼんやり見えた。セクハラ&妄想社長が起死回生の案としてぶち上げるのは、『漫画ニーチェ』! 単行本が成功したら、ゆくゆくは『月刊漫画ニーチェ』を創刊する、キミが編集長だ、と云われた女編集者が困惑していた。ぼくも『月刊漫画ニーチェ』の編集だけはやりたくないなあ。


終わって、飲みに行く塩山さんたちと別れ、湯島の〈デリー〉へ。小沢信男さんからいただくレトルトのカレーでおなじみだが、店に入るのは初めて。タンドリーチキンとのセット(生ビールつき)1700円はリーズナブル。カレーもウマかった。ウチに帰り、一仕事。


yom yom』第3号が届く。グリーンの表紙がイイ。特集は「「新潮文庫の100冊」の作家たち」と「夏の読書」。後者では筒井康隆インタビューと、最相葉月の「星新一のタイムカプセル」がおもしろそう。岡崎武志さんが古本系の新刊を紹介している。「小説検定」、今回のテーマは「旅」。打ち合わせのとき、「いくらでもタイトルが思いつきますから、楽勝ですよ!」などと見得を切ったのだが、本そのものはすぐ見つかっても問題が思いつかず、締め切りを大幅に超えて難渋する。結果としては、そこそこオモシロくて解きやすい問題になったと思うが……。まあ、チャレンジしてみてください。