小説検定と本の雑誌

昨日の東京新聞夕刊「大波小波」で、岡崎武志さんの『ちくま』の連載が絶賛されていた。「岡崎の筆はこうした女性たちのどこかふわふわした、ビジネスなのか趣味なのかわからない仕事ぶりに密着しつつ、革命的な『女の眼』への感嘆を隠さない」云々。


朝から本郷図書館で、『yom yom』小説検定の資料探し。今回のテーマは問題がつくりにくく、数日前から難渋している。全集や参考文献を大量に見て、10冊ほど借りる。ウチで問題作成の続きをやり、12時すぎに自転車で出かける。〈オヨヨ書林〉近くの中華料理屋で、半チャンラーメン(700円)。この暑いなかを自転車を引いて、東大構内を上がる。久しぶりに中に入ったが、スターバックスが入っていたのにはビックリ。真砂中央図書館で、資料を探し、また10冊近く借りる。


3時前に千駄木の〈ブーザンゴ〉へ。『本の雑誌』のMさんに取材を受ける。「以前、うちのバイトされていたんですよね?」と訊かれたので、「大学一年のとき、ちょっとだけ〈助っ人〉してただけです」と答える。先日の入谷コピー文庫『ぼくが食らいついた本たち』は、まさにその時期の読書ノートで、その痕跡がうかがえる。たとえば、こうだ。

80 『本の雑誌風雲録』目黒考二 本の雑誌社 1985 237p 図・中 1000円 5月27日 B
文学青年でひよわだった学生時代、本が読めないからと勤めた会社を次々に辞めていくサラリーマン時代、その感じが痛いほどよくわかる。(略)そして、ごていねいに仕事が軌道に乗り出してからさえもやめてしまいたいと思っていたことにさえ共感してしまう。(略)現在の目黒氏にはそういったひよわな様子はみじんもないが、この本を読むとなんとなく安心する。あと上原さんとか知っている限りの人物の行状もおもしろい。特に沢野氏についての描写は無条件に笑える。こういった「風雲録の時代」に本の雑誌社に居られなかったのは残念ではあるが、これからまた新しい「風雲録」が出来ていくのだろうと思う。


【注】中学、高校と『本の雑誌』を愛読し、大学に入ってすぐ同社の「助っ人」に応募した。半年もいないうちにリタイアしてしまったが、沢野ひとしさんにタバコを買いに行かされたコトを覚えている。上原さんは、のちにデザイナーになる上原ゼンジ氏。


5時ごろにウチに戻り、小説検定の続き。あっちを広げ、こっちをひっくり返し、10時ごろに一通り出来上がる。編集部のTさんから少し直しが入り、12時ごろにバイク便が資料の受け取りに来る。晩飯、食い逃しちゃったよ。ポストを見たら、月の輪書林目録が届いていた。今回は三田平凡寺特集。欲しいのがたくさんあるが、どれもイイ値段なので何冊買えるかなあ。


堀内恭さんから入谷コピー文庫の最新刊(早っ!)が届く。桂浜吉『土佐のいごっそう 川谷拓三という生き様、死に様。』である。著者も堀内さんも土佐出身だ。一緒に『ぼくが食らいついた本たち』が5部同封されている。こないだ「増刷します」と云ってくれたもの。これで限定20部になりました。増刷を記念して、先着1名様に本書を差し上げます。メールでお申し込みを。今回は1966〜68年生れの方のみ受け付けます。同世代の感想が聞きたいからね。【すぐに申し込みあり。受付終了します】