魚雷さんがうらやましい
昨日は神田のS社で打ち合わせ。終わってから〈穂高〉でMさんと雑談。帰って、コピーを取りに行ったり、書類をまとめて発送したりするとたちまち夕方に。夜にデザイナーIさんの事務所に行き、「不忍ブックストリートMAP」の謝礼をお渡しする。昨年よりちょっと多めに渡せたのがうれしかった。
献本2冊。まず、藤田洋三『世間遺産放浪記』(石風社)。オビの文章がいいので引用する。「働き者の産業建築から小屋・屋根・壁、近代の擬洋風建築、職人・奇祭、無意識過剰な迷建築まで、庶民の手が生んだ「実用の美」の風景」。メインコピーが「忘れられたもうひとつのヘリテイジ。」、サブコピーが「沸騰する「遺産ブーム」にびっくり水! 痛快無比の247葉」。編集の藤村さん、ハジけてんなあ(笑)。内容も素晴らしく、この世の中にはこんなにヘンテコなカタチのモノがたくさんある(あった)のか、とビックリしてうれしくなること請け合い。オールカラーで2300円というお値打ち価格。たくさん売れてほしいので、しばらくやってなかったが、アマゾンのバナーを貼ってみるか(やりかた忘れてた)。
- 作者: 藤田洋三
- 出版社/メーカー: 石風社
- 発売日: 2007/04
- メディア: 単行本
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もう1冊は、喜多村拓『古本屋開業入門 古本商売ウラオモテ』(燃焼社)。せっかくいただいたのに悪いが、なーんかなあ。志多三郎『街の古本屋入門』(光文社文庫)に書いてあることとほとんど変わらない。オンライン販売についても、正直、目新しい記述はない(まあ、こちらが耳年増になっているせいかもしれないが)。マニュアルとしても中途半端。かといって、エッセイとして面白いわけでもない。本の袖で高橋輝次氏が「ユーモアと風刺の効いた絶妙の文体」と書いているが、どこが? 古本屋の本なのに、〈まんだらけ〉を「マンダラケ」と表記するあたりも、ちょっとね。
そうだ、荻原魚雷『古本暮らし』(晶文社)をようやく買った。〈往来堂書店〉にはサイン本が入っていたのだが、なかなか買いに行けなかった。署名だけだったので、こんど会ったとき識語を入れてもらおう。林哲夫さんの装画は、野球のグラウンド?を描いたもので、東京ローカルホンク(魚雷さんの友達のバンド)のアルバムジャケットを連想した。街、野球、ベンチなどが、魚雷的なるものなのだ。その点ではこれは、いままでの古本本とはかなり違うものになっていると思う。それにしても、編集=中川六平、装幀=間村俊一、装画=林哲夫というゴールデントリオの手で、最初の(商業)単行本を出したことが、うらやましいと云わなかったらウソになる。いや、ホントにうらやましいぞ。しかも、こんどコクテイルで出版記念会まで開かれるという。みんな魚雷さんが好きなんだね。ねたましいねェ。塩山氏にならって、アマゾンの順位をチェックしたり、書店の平積み状況を観察に行くか。