どんよりしたり、盛り上がったり

この土日は、ひとりで落ち込んでいた。しばらくはこの不安を引きずって生きねばならない。今日は午後に根津にできた新しいカフェ〈BLANCHEUR〉に行く。半分はセレクトされた花屋さんで半分がカフェ。〈オヨヨ書林〉に寄った後、自転車で上野に行こうとしたが、ふらふらしているうちに本郷に出てしまった。そこで白山まで走り、駅の近くに自転車を止めて、三田線で神保町へ。古書会館で「新宿展」を早足で見て、牛センセイから先日の買取金額を受け取り、〈ダイバー〉のふるぽん市を覗いて、一冊買う。そのあとも落ち着き場所を求めて迷走する。結局、〈北京亭〉でビールと焼き飯を食べる。


白山まで戻って、ウチに帰り、まだ読まずにいた、最相葉月星新一 一〇〇一話をつくった人』(新潮社)を読み始める。予感どおり、読み出したら止まらなくなり、5時間ぐらいかかって一気に読み終えた。間違いを指摘する声がネットであるようだが、初めての星新一の評伝が、このボリューム、このレベルで書かれたことに満足する。たくさんの新知見があったが、とりあえず、旧制中学時代の同じ学年に文学研究者の槌田満文氏がいて、後年、東京新聞星新一に『気まぐれ指数』を連載させたのが槌田氏だった、という事実には驚愕。以前、ゆまに書房で『風俗画報』をCD−ROM出版したときに監修していただいた方だ。もっと早くこの事実を知っていれば、いろいろお聞きしたかったのに、と悔やむ。ほかにもメモしておくべきこと多し。すっかり盛り上がる。



今朝の朝日新聞の読書面に「一箱古本市」の記事が載りました。いよいよあと一週間。24日(火)から、大家さんでもある〈乱歩〉で中里和人さんの写真展がはじまります。27日(金)の中里さんとぼくのトーク、まだ席に余裕があるようです。リコシェまでお問い合わせを(http://www.ricochet-books.net/)。6時開始ですが、ぼくの到着は7時ごろになります。