「先生とわたし」を読みふける

9時起き。夕方までに、『進学レーダー』の図書館と、書評の原稿を書く。自転車で〈往来堂書店〉に行き、『新潮』3月号を買う。四方田犬彦「先生とわたし」(400枚)を読むためだ。英文学者・由良君美のことを書いたこの長編エッセイのことは、岡崎さんや山本さんから聞いていた。由良君美の本は、青土社から出た本はだいたい読んでいる。偶然だが、今年に入ってからの五反田展で、「由良君美の祝祭」と冠された、東大由良ゼミ準備委員会編『文化のモザイック 第二人類の異化と希望』(緑書房、1989)を入手していた。由良の還暦記念の画文集で、交流のある学者や詩人、教え子が寄稿している。四方田もこの本に由良との出会いについて書いた「U.R.」という文章を寄せている。この短い文章からは、すさまじいものが漂っている。


往来堂のあと、〈はやしや〉でチューハイを飲みながら、「先生とわたし」を読む。8時半から〈カフェ・ド・パルク〉で打ち合わせがあり、旬公と〈三大門〉でユッケビビンパを食べる。ウチに帰ってから、「先生とわたし」を続けて読む。ココではちょっと書ききれないほどに、初めて知ったコトが多く、うなりながら読む。布団の中で夜中まで読み、朝起きてから最後まで読む。「知」の恐ろしさと魔力を、いやというほど感じさせられた。自分に「師」というべきひとがいないことを感謝する一方で、そういう強烈な関係を持たずにここまで来たことが寂しいような気もする。この長篇は、ぜひ小谷野敦に書評してほしいものだ。……と思ったら、すでにブログ(http://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/)で言及されていた。