モダン建築とうどんの丸亀

朝8時起き。サンドイッチを食べて、まちなみ保存センター(これも旧家だ)を覗くと、もう出かける時間。9時40分の船に乗って、本島を離れる。また来たいなあ。甲板に上がって小さくなっていく島を眺める。15分ほどするともう、先方に丸亀が見えてくる。近いのだ。


ギャラリーに荷物を置き、街に出かける。まず、猪熊弦一郎美術館に行ってみたが、作品にも妙にフレンドリーな美術館にも違和感を覚える。隣にある市立図書館に行ってみる。海野さんの本では、図書館は丸亀城の城内にあったが、移転したらしい。ココで丸亀関係の本を見たかったけど、休館日で残念。駅の北側に出て、遊郭の跡を歩く。『光の街影の街』にも印象的な写真が載っている。いまでも、独特のデザインの窓のある建物はひとつだけ残っているが、写真にある建物は消えてしまったようだ。


そのあと、Uさんにもらったガイドマップを頼りに、うどん屋を探す。今日は祝日なので休みの店が多いようだ。西平山町にあるうどん屋をめざすが、いつまで経ってもたどり着けずその辺をうろうろ。通行人に聞いても判らず。地図がずいぶんいい加減だったようだ。〈綿谷〉というセルフのうどん屋にやっとたどり着いたら、周囲の駐車場は満員で、客立ち並んでいた。しかし、セルフだし席数も多いので回転は速い。「肉ぶっかけ」が名物だというので、牛肉ぶっかけ・だしだけ温の「小」を頼み、おにぎりを一皿。コシの強い麺に、よく煮えた牛肉が合う合う。おにぎりも、ふりかけを載せてノリでまいただけなのだが、なんだかイイ感じにウマイんだよなあ。


満足して店を出て、駅方向に戻る。浜町の商店街に出る。このあたりは、縦横に3つの商店街があり、いまでも営業している。活気があるとは云いがたいが、シャッター通りにならずにいるだけでもスゴイ。『光の街影の街』に出てくる、さぬき信用金庫を見る。1937年に建てられたもの。この近くにある古本屋〈久保書店〉は休みだった。30分ほど歩くと、もう一杯ぐらいうどんが食べられそうになったが、ガイドマップに載っている店は、休みか見つからず。駅前にはうどん屋はなく、なぜかインドカレー屋がある。北側に出て、駅前にある唯一のセルフうどん屋でぶっかけを食べる。普通にウマイ。


ギャラリーに戻って荷物を受け取り、駅でうどんを買って、岡山行きの電車に乗る。岡山からの新幹線は指定が満席だというので、心配していたが、新幹線のホームで岡山始発のひかりが発車直前だったので飛び乗ると、自由席に余裕があった。よかった。『光の街影の街』を最後まで読み、ほかの都市(たとえば北九州)にも行ってみたくなる。ひかりはやはり、のぞみよりも時間がかかり、6時半に東京駅に到着。西日暮里に帰り、旬公と久しぶりに会う。『世界屠畜紀行』が朝日新聞や『ダヴィンチ』などに載ったハナシを聞く。