バーバラ・セクサロイド

9時前に目が覚めるが、起きる気力なく、10時半まで布団に。そのあと、資料読み。1時すぎに、千駄木で立会いが1件ある。西澤保彦『黄金(きん)色の祈り』(文春文庫)を読む。図書館に行くとやたら冊数が並んでいるミステリ作家だが、借りたことはなかった。いちど手に取った本作の単行本には、レトロなカバーイラストが使われているが、そのせいで何となくパロディっぽい作品を思い浮かべていた。田中啓文蹴りたい田中』(ハヤカワ文庫)のイラストと同じ趣向だと勘違いしていたようだ。で、先日、文庫版を開いてみたところ、これはブラバン小説だったのである。中学の吹奏楽部で起こった事件が、主人公の人生を変えていく。自分の才能への絶対的な自信、他人への嫉妬など、主人公の描写はじつにイタイ。向日性のブラバン小説である津原泰水ブラバン』(バジリコ)とは、正反対であるが、おもしろく読んだ。柏木ハルコの『ブラブラバンバン』が実写映画化されるそうだし、いつかつくろうと思っているブラバン小説・マンガリストに、そろそろ着手するか。


4時に出て、飯田橋へ。打ち合わせまで中途半端に時間があるので、ホームのベンチで本を読んでいたら、ヨコに座っていた女性が、携帯で「バーバラです。これから戻ります」と話していた。コレは出張風俗というやつか? 横目でどんなヒトか眺めるが、帽子をかぶった地味なみなりだとしかワカラナイ。そのうちに到着した三鷹行きの総武線に乗って、バーバラさんは去っていったのでした。神楽坂の〈深夜プラス1〉で、『映画秘宝』の最新号を買って、打ち合わせに向かう。西日暮里まで戻り、〈はやしや〉へ。ビールを飲んで一息ついていたところに、高野マユタンから電話。なにがキッカケだったかは忘れたが、その直前、交差点をわたるときに、そういえばしばらく会ってないなあ、と思ったところだった。シンクロニシティってヤツか?


夜は本を読んだり、正月の深夜放送で火をつけられてしまった、アメリカのTVドラマ《プリズン・ブレイク》の続きをDVDで観たり。


では、最後に「路上派少年遊書日記――1981年・出雲」を。

1981年4月1日(水)
★テレビでドラマの「サザエさん」をやっていた。
遠藤周作北杜夫が出ていたりして、おもしろかったが、やはり漫画ほどギャグは多くない。マジメな感じがする。


★蔵書リスト140冊までこぎつける。


★石飛さんに手紙を出して、【SF雑誌を】ゆずってもらうようにお願いする。


星新一ショートショートコンテスト、どうも落選の気配である。やけくそになって、ひっくりかえる。