洗濯すると一仕事終えた気分になって

寒くて布団から出られず、10時まで。「早稲田古本村通信」の原稿を書く。〈古書ほうろう〉に行き、来年2月のイベントの相談。谷中銀座の〈すずき〉でコロッケ買って帰り、昼飯。午後はいろんなことが遅々として進まず。洗濯すると、なんだか一仕事終えた気分になってしまう。自宅と仕事場が同じだと、停滞したときにマズイ。


Mixiを覗いていたら、「やっしさん」というヒトの日記で、今年のベスト3は、1位 塩山芳明・著(南陀楼綾繁・編)『出版業界最底辺日記 −エロ漫画編集者「嫌われ者の記」−』(ちくま文庫・本体950円)、2位 高田文夫・著『笑芸日記 一九九六−二○○五』
ちくま文庫・本体880円)、3位 南陀楼綾繁・著『路上派遊書日記』(右文書院・本体2200円)であると書いてある。おお、ありがたい。しかし、『笑芸日記』を最悪だとしている塩山さんには複雑だろう(同書に関しては、ぼくも同意見)。


DVDで、黒沢清監督のテレビドラマ《もだえ苦しむ活字中毒者/よろこびの渦巻》を観る。どっちもつまんないなあ。後者のラストが、《鴛鴦歌合戦》のフィナーレの拙劣なオマージュなのもむかつく。


5時に自転車で三ノ輪へ。途中、ある新古書店に寄ると、店長が電話で「もうどうせ売り上げあがらないんだから、どうでもイイけどよお」などと長話している。末期的な雰囲気。久しぶりに〈遠太〉に行くと、「やってる」ので一安心。エンテツさんとフリー編集者の堀内恭さんと飲む。「書評のメルマガ」で来年、堀内さんに連載してもらうことになり、その代わりというワケではないだろうが、堀内さんの「入谷コピー文庫」でぼくの本を出したいと云われる。ナニを書いたらいいかねえ、と云っていたら、エンテツさんが出したアイデア(酔っ払って話すので、二三度訊きなおしたが)がオモシロくて、その場でそれに決める。堀内さんとは10年以上の付き合いだが、これまでの経歴をちゃんと訊いたのは初めてだ。ぼくの知り合いでは、右文書院の青柳さんと並ぶ「二大シャイ編集者」である。


店を出ると、身を切られるような寒さ。自転車に乗ると底冷えがする。身体が冷えるので、西日暮里まで戻ったところで、中華料理屋に入りちゃんぼんを食べる。


では、最後に今夜も「路上派少年遊書日記――1981年・出雲」を。

1981年3月22日(日)
★アイデアを考えてみる。明日から書こうと思う。*1


★『太陽風交点』【堀晃】読了。
イカルスの翼」が一番良かった。
『梅田地下オデッセイ』よりも、どの作品もあまり、数字なども出ていなく、こむずかしくないので、こちらの作品集の方が好きである。あまりややこしいのは好きではない。
他に「時間礁」と「悪魔のホットライン」が良かった。


3月23日(月)
★かぜをひいて医者に行くと、金本さんも来ておられた。高校合格されたので、大阪に旅行にいって、ポートピア*2も見に行かれるそうだ。くそ、俺も行きたい。
部活、部活の毎日で少しは休みもほしい。


★FM「二人の部屋」*3横田順彌の短編を五日つづけてやるので、初日「真夜中の訪問者」を聞く、

*1:ショート・ショートのこと。

*2:この年3月から神戸で行なわれた「神戸ポートアイランド博覧会」のこと。

*3:NHK FMの朗読番組。正式には「ふたりの部屋」か?