値づけに行って本をもらう

kawasusu2006-12-10

9時起き。仕事の準備をあれこれ。12時に〈古書ほうろう〉を覗き、昼はほうれん草のパスタ。《噂の東京マガジン》見る。HDDを買ったので、リアルタイムで見なくてもいいようなものだが、録画せずにその時間にテレビを見るクセがすっかりついてしまったので。先日のトークに刺激されて、未読の海野弘本を引っ張り出してきて、読み始める。


2時に出て、バスで早稲田へ。早大正門前を通ると、大隈講堂がシートに覆われている。改修工事とのこと。早稲田駅前の〈あゆみブックス〉で、柴田宵曲『明治の話題』(ちくま学芸文庫)、武田徹NHK問題』(ちくま新書)、復刊された矢川澄子『わたしのメルヘン散歩』(ちくま文庫)を買う。あ、3冊ともちくまだった。


穴八幡の下の〈メープルブックス〉が入っていた店に、〈立石書店〉が入り、開店準備中。牛イチロー先生とセドローくんがいる。内装を大きく変え、棚を入れると、前の店とは印象がすっかり変わった。先日引き渡した本で、自分で値づけしたほうがイイ本を選び、値札を書く。50冊ほど書いて、あとは二人に任せるコトに。セドローくんがつけた値札を見ると、のきなみ安い。コレが早稲田価格か。自分が出す本だということを忘れて、その値段で買いたくなった。今回は、本のほかにLPレコードも30枚ほど出品する。野坂昭如のライブ、ピチカートVのデビューシングル、ジャズ(山下洋輔ボブ・ブルックマイヤーエディ・コスタ、どくとる梅津バンド)など、節操のないラインナップだが、ジャケットのデザインがいい盤が多いので、ぜひ見られたし。南陀楼の「けものみち」放出本は、雨が降らない限り、店の前に並べられるそうです。均一本じゃないですからね〜、値段を確認して買ってくださいね!


作業の合間に、牛先生が縛った本の束に、探していた『東京詩集Ⅱ』(作品社)を見つける。本を処分中とはいえ、目の前にこんなエサぶらさげられたら、しかたナイじゃないか。「コレ、値段ついてるの?」と聞いたら、諦めたように「イイですよ、持ってってください」と。値づけに来て、いい本もらっちゃった。写真は作業中の牛イチローの晴れ姿です。


来たときと同じバスでウチに帰る。晩飯は下仁田ネギ鍋の残り。テレビで、トム・クルーズ主演《ラスト・サムライ》(2003・米)をダラダラと観る。トムが鎧着て刀を振り回したかっただけの映画なんじゃ?


では、最後に、今夜も「路上派少年遊書日記――1981年・出雲」を。

1981年3月9日
★新聞の「譲ります」の所に、良い記事がのっていた。以下はそのメモ


雑誌 SF創作誌『星郡』38-40号および今後発刊予定号をSFファン、創作を志す人に無料進呈。またSF専門誌の一部譲渡可。SFに関する情報交換にも応じます。
〒690-26 飯石郡三刀屋町●●●● 石飛卓美


さっそく手紙を書き、ふんぱつして70円をはる。なんとか手に入れたい。*1
僕の近くにSFファンがいるということはうれしいことだ。


★このごろ学校で女子とおもしろい話をしている。もともと女の子をかまうくせがあったが、楽しいものである。*2
いろいろなことが聞けるのでおもしろい。男子とはまた一味ちがった話ができる。


3月10日(火)
★一日苦しかった。このメモ・ノートもなかなか書けない。だらけてきているな。


こういう手紙を書いたコトはすっかり忘れていたのだが、今回読み返して、その相手が石飛卓美であることに驚く。現在の石飛氏はSF作家として、何冊も本を出している。「島根県出身のSF作家がいるな」と気づいてはいたのだが、その頃はSFへの興味も薄れており、作品を読むこともなかった。中学生のときに、このヒトに手紙を出していたと気づけば、読みたくなっただろう。石飛氏はいま55歳ぐらいだから、当時は20代後半か。現在も三刀屋町に住み、小説を書きつつシイタケ栽培をなさっているようだ。このあとの顛末は後日に。(続く)

*1:この当時はやたらと手紙を書いていたような気がする。

*2:なんか、同世代ではなく、オヤジの視点っぽいなあ……。