「入谷洋食ストリート」を行く

朝8時半起き。朝飯を食って、ひとつ用事を済ませてから、自転車で入谷へ。台東区中央図書館2階のビジネスルームで、懸案の原稿をまとめる。ココは電源はあるし、無線LANはできるし(今日はつながず)、同じ部屋に事典類はあるしで、資料を使った原稿書きには最適。途中、『思想の科学』のことを調べようと、OPACで検索してみたら、創刊から終刊までのバックナンバーが(少し抜けはあるにしても)ほとんど揃っているコトが判り、書庫から出してもらう。目的の号が見つかり、原稿書きのスピードが上がる。こういうときにつまづくと、途端に進まなくなってしまいがち。それにしても、『思想の科学』は1950年代からすでに「雑誌」(論文を並べるだけでなく、コラムや時評を備えた体裁になっているという意味での)だったんだなあと思う。


1時半に一区切りつき、館を出る。腹が減ったので、入谷交差点を渡ったところの〈河金〉へ。祝日だけどやっていた。客は誰もいず、店主が食事中。有名な店だが、小上がりには猫が陣取っていたり、その辺に雑誌やスポーツ新聞が投げ出されているといった、日常の延長感覚がいい。なごんだので、黒ビールとポテトサラダを頼み、「河金丼」(750円)を食べる。カツカレーを丼に盛ったものだが、カレーはカレーうどんに掛っているとろみのあるルーだ。小さく切ったカツもウマイ。これで計1400円は安い。しみじみイイ店だ。


ちなみに、この通りには入谷から鶯谷にかけて、なぜか洋食屋がいくつもある。現在確認しているだけで、6、7店はあるだろう。ぼくが入ったのはせいぜい3、4店だが、どれもかなりハイレベルだと思った。近くに食器類を扱うかっぱ橋道具街があるからかどうかは不明。「入谷洋食ストリート」と名づけたい。


また自転車でウチに帰り、ちょっと昼寝してから、原稿の続き。資料やメモをひっくり返しながら、9時前にカタチになる。遅れに遅れていた、という表現では間に合わないぐらい遅れていた(どんなやねん)ものだったので、やっと一息。夜は旬公が明太子クリームソースのパスタをつくる。明太子のツブがブロッコリにからんでウマイ。博多で買ってきた一箱分の明太子がコレでなくなった。


「とり、本屋さんにゆく」(http://d.hatena.ne.jp/tori810/)に、経堂の〈遠藤書店〉支店が閉店とある。遠藤書店のブログ(http://koshoendou.exblog.jp/)は見ていたが、この数日は読んでいなかった。明日24日が最終日のようだ。『酒とつまみ』の連載で書いたコトもあり、愛着のある店だった。最後に行けないのが残念だ。


では最後に、今夜も「路上派少年遊書日記――1981年・出雲」を。教育制度への提言があります。

1981年2月16日(月)
★今日は実力テスト第一日。英・理があった。がんばらねば。


★『みゆき 1』おもしろくて何度も読み返している。こんなおもしろいのは久しぶり。学校でも、いろいろな人におもしろい、おもしろいと言ってまわっている。明日、坂本(もげ)君*1にかしてやる予定。


★このごろ、僕の影響かどうか、この組にSFファンがふえてきた。沢田は星新一を読むようになって、沢田*2のおかあさんから家の母上に礼を言われたそうだし、園山(しげる)君はかんべむさし筒井康隆小松左京星新一などのファンになって、僕と同じ本を買いはじめている。
だが、元祖SFファン(すくなくともこの組での)は僕に決定である。*3こちらもまけないようにがんばろう。


2月17日(火)
★今日は実力テストの二日目。国数社で特に数がむずかしかった。


★バレンタインチョコをもう一つもらう。打田殿からである。ありがとうございました。


★今日読んだ本
火星人ゴーホーム
さすがフレドリック・ブラウン星新一が好きな作家だということもうなずける。
海外SFもおもしろいということがわかった。
これからは、このF・ブラウンやレイ・ブラッドベリロバート・シェクリイなどの本を読みたい。この前、創元推理文庫にめぐりあったが、あの文庫にはおもしろい作品がいっぱいつまっている。
そのうち読んでいきたい。


★テストがおわって一安心、と思うひまもなく3月2、3、4日にはもう期末テスト。なんと中学生の身の苦しさよ。いつも思うのだが、自分で自分がいちばんいい分野をみつけ、それを専門に教えてくれればいいのに。*4
そうすれば、さぞかし、みんな熱心にやるだろうと思うのだが。


いきなり『みゆき』の伝道師になっています。おもしろいものを見つけたときに、ヒトに勧めて回る性癖はこの頃からあったのか。明日の更新分には、『みゆき』がらみでもっと衝撃のエピソードあり。お楽しみに。

*1:同級生で吹奏楽部。チューバ担当。

*2:同級生で吹奏楽部。トランペット担当。

*3:まさに「井の中の蛙」状態。田舎だからこそ、一方的に威張れた。

*4:自分が徹底的に理数系に弱いコトを自覚していた。