倉庫の中身が明るみに

朝9時起き。倉庫に入っている本の整理は週末にと思っていたが、天気予報を見ると明日から雨が降るようなので、急遽やってしまうコトに。ベランダに新聞紙を敷き、その上に本が詰まったダンボール箱を出す。かなり広いベランダだけど、下が濡れていたり、泥で汚れていたりで、使えるスペースは意外と少ない。


残しておくものを透明ケースに移し、売る本を段ボール箱に残していく。3時間かかって、150冊ぐらいを売るほうに回せた。透明ケースだと外からでもナニが入っているか見当がつくので、精神衛生上にいいことが判った。その後、テレ東の《リーサル・ウェポン2/炎の約束》(1989)を眺めながら、自室の「けものみち」にもちょっと手を着ける。そこから50冊ほどを発掘する。合計でダンボール箱5つ分にはなった。土曜日に牛イチロー先生にコレを取りに来てもらい、空いたスペースにまた透明ケースを入れるという算段。うまく行くとイイが。


一区切りつくと、疲れがドッと襲ってくる。図書館で借りた、鏑木蓮『東京ダモイ』 (講談社)を読むが、恐ろしくつまらない。もともと、江戸川乱歩賞は題材重視の傾向があるが、本作はシベリア収容所の捕虜を取り上げていること以外には、ナニひとつ新しいところがない。だいたい、ストーリーはあっても、描写がゼロ。小説になってないと思う。駅前まで出かけ、〈ホルモン道場 喜多八〉でチューハイともつ焼き。再読中の椎名誠本の雑誌血風録』(新潮文庫)はいちばん盛り上がっている箇所に差し掛かった。ウチに帰り、9時まで爆睡。明日中に決着をつけねばならぬ原稿が。


では最後に、今夜も「路上派少年遊書日記――1981年・出雲」を。

1981年2月14日(土)
★今日はバレンタインデー。つまらないことにも思えるが、やはりもらうとうれしい(チョコレートを)。というのも、なんとチョコレートをもらったからだ。*1それも、なにもこちらから言ってない人から。
有富という人*2から、かしたテープのおかえしにともらった。「だれからもチョコのもらえないかわいそーな河上くん。テープのお礼に」ということだ。


他にも、2人もってきてくれていたが、まだもらっていない。月曜日にもらうことになる。
夕方、HOK(ホック)*3で安売りしていたので、テープ3+スペアケース1+カードg*4980円とテープ2本・1本で295円買う。*5あとでかえす約束で母上にたてかえてもらう。


2月15日(日)
★今日は部活【吹奏楽部】が休みで、昼から父上といっしょに買い物にいった。
今日はかなりの収かくがあった。


★今日買った漫画
『みゆき』1 あだち充 340円 小学館
今日の一番の収かくはなんといってもこれだ。
いっぺんでこの作品のファンになった。
2、3の書店をさがして、やっと見つけた。
早く2巻がでればいいのに。


★今日買った本
(今までつけていたNOは少なかったので、今日から正確なものに直す)*6
『天使と宇宙船』フレドリック・ブラウン 小西宏訳(NO.159)320円 創元推理文庫
『梅田地下オデッセイ』堀晃*7(NO.160)460円 ハヤカワ文庫JA
ディオゲネスは午前三時に笑う』小峰元(NO.161)340円 講談社文庫
『偽原始人』井上ひさし(NO.162)400円 新潮文庫


フレドリック・ブラウンの短編16編の入ったこの本。この前買った『火星人ゴーホーム』は、まだ半分しか読んでないが、すごくおもしろかったので、また買った。
創元推理文庫は初めて。新しい文庫だと思っていたけど、*8この作品集などは’60年に初版が出ている。目録を見ると、たくさんのいい作品がならんでいる。これらの本を読んでいなかったとは。
堀晃の本は始めて。この本は、つい、この間文庫本として出た。さがしていたので、すぐ買った。


小峰元の本は3冊目。
井上ひさしの本は2冊目。
両作品とも、図書館の本で読んだが、もう一回読みなおすつもりだ。そこからなにか新しい気持がわきあがる気がするからだ。
今日買った本は4冊とも、その作者の本は2冊とか3冊目だというのばかりだ。
先はいくらでもあるから、じっくりと読んで大人になるころには、一応あらゆる分野の本を読んでいきたい。
本当に読書こそは僕の生命であり、いきがいである。僕からこれをとったらふつうの人だ。*9


漫画だってすばらしい。今日までに、何冊も読んでいるが、親(世間、一般の親)の言うように、くだらなくはない。
これだって、いいものがいくらでもある。
漫画から何かを得たり、考えるようになったりすることはざらにある。
家(うち)の親は幸いにして、ものわかりが良い。*10
だから、これまでこうしてこられた。


ついに、あだち充『みゆき』が登場! この先、どういう展開になるか目が離せないぞ!(ムフ……)。「先はいくらでもあるから、じっくりと読んで大人になるころには、一応あらゆる分野の本を読んでいきたい」と意気込んでいるのが、コワイ。(続く)

*1:なんというアタマの悪い文章だ……。

*2:この子は名前にすら心当たりがない。

*3:ウチから10分ほどのところにあったスーパー。当時は市内でいちばん大きかった。

*4:「g」なのか「9」なのか判読不明。どっちにしろ、ナンだかかわからん。

*5:この計算式も意味不明。

*6:といっても、わずか3冊程度のズレでしかない。少しでもたくさん本を持っているように思いたかったのだ。

*7:堀晃の「堀」をずっと「掘」と間違えている

*8:まったくの勘違い。

*9:自分は普通じゃないと思っていたらしい。

*10:それが25年後に「こんなにフラフラさせるために東京に出したんじゃない!」と怒られるとは。