ミノ君の歌

早起きして原稿にかかるハズが起きられず。9時に焦りながら起きて、やっと取り掛かる。書き始めるも、このパソコンの動作がのろく、メール一通読み込むのに数分かかる状態なのにいらいら。もう5年ぐらい使っているので、メモリもハードディスクも飽和状態なのだ。でも、いまは買うカネもないしなあ。


12時までに、書物ブログ主宰者の座談会を上げる。誰が出席したかは、読んでからのお楽しみ。昼飯をかきこみ、次の原稿にかかる。4時にアップ。30分休んで次に。7時にアップ。いずれも毎日新聞社の神保町ムックに入る記事だ。こう書くとすごく勤勉なようだが、ナニ、月曜日から1日1本書いていれば、こんな状態にはならなかった。編集者や取材先にメールで原稿を送ると、7時半だ。ヤバい。自転車に飛び乗って、入谷へ。


8時に〈なってるハウス〉に着くと、いつもガラガラのこの店が今日はほぼ満席。いちばん前に席を見つけて座る。あとから『ぐるり』の五十嵐さんが来る。今日は、オフノートから出た鈴木常吉のアルバム[ぜいご]の発売記念ライブ。鈴木常吉(vo、g、アコーディオン)、中尾勘二(as、クラリネット)、関島岳郎(tuba、リコーダー)のトリオ。「今日はアルバムの曲順どおりにやります」という言葉どおり、最初と最後に高田渡のカヴァーをやった以外は、アルバムの曲だった。鈴木さんは長い手足をもてあますようにして、椅子に座って歌う。アコーディオンを弾くときは、苦悶といいたくなるような表情をする。オリジナル曲もいいが、「サマータイム」のカヴァーがすごい迫力だった。


第二部で、「ミノ君、という歌をやります」と云うので、ミノといえばこないだ、堀切直人さんと画家の美濃瓢吾さん(著書『浅草木馬館日記』筑摩書房)の話をしたなあと思ったのだが、曲が始まると、まさにその美濃さんを歌ったうただったのに驚く。「ミノ君、ミノ君/木馬館売店で/ピーナッツを売る/絵描きのミノ君」。しみじみとイイうた。鈴木さんは「この歌をうたうと美濃さんは照れるんだ」と云っていたが、まだ会ったコトのない美濃さんに会ったら、この歌のことを話してしまいそうだ。 演奏時間は短かったが、深く静かに心に入ってくるライブだった。オフノートの神谷さんに挨拶し、[ぜいご]を買う。


鶯谷駅まで五十嵐さんと歩き、そこから自転車で帰ってくる。三日間溜まっていた日記を書いたら、2時間以上かかってしまった。


そうだ。先日、〈東京堂書店〉で『路上派遊書日記』が週間ベストの5位に入ったとサイトで発表されたと書いたが、その結果がなぜかウィンドウに反映されなかった(連休があったからか?)。前を通るたびに出てないなあと思っていたのだが、今日になって、次の週のベストがサイトで発表になった。どうせナイだろうと思ったら、6位に踏みとどまっていた。5位は森まゆみさんの『円朝ざんまい』(平凡社)で、7位が小山清『小さな町』(みすず書房)という並び方もシブイ。午後に青柳さんから電話があり、「ウィンドウに出てますよ」と。先週のはすっ飛ばして、今週のを反映させているとのコト。〈書肆アクセス〉以外の売り上げベストに入ったのは初めてだから、ちょっと浮かれて、ウィンドウの写真を撮りに行こうかな。