〈アケタの店〉のつわものたち

朝8時半起き。9時すぎに自転車で出かけて、本郷図書館でリクエストの本を受け取る。上野に行き、〈ABAB〉に開店と同時に入る。〈ユニクロ〉でなんにも考えるズボンを3本選び、試着室で履いて裾を折り返し、裾上げに出す。この間、15分。上にある〈HMV〉で時間をつぶす(真正面に〈TSUTAYA〉ができたのに、危機感のなさに呆れる)。直したズボンを受け取り、外に出る。はー、やっと1年に1度の行事が終わったよ。コレでしばらくは服を買いにこなくてすむ。〈TSUTAYA〉でビデオを借りて、根津まで戻る。


中華料理の〈日増屋〉へ。戦前の看板建築が残る建物だったが、7、8年前に建て直している。初めて入るが麺類の種類が多い。タンメンを食べるが、野菜たっぷりで美味しかった。ウチに帰り、著者への連絡や取材の段取りをつける。『路上派遊書日記』の献本への返事、今日は大村彦次郎さんと関口洋子さん(〈山王書房〉の関口良雄氏の未亡人)より。


5時前に出かけて、池袋へ。新刊書店を覗く。〈リブロ〉の文芸書売り場では3ヶ所に平積み(うち1ヶ所は2面出し)。一方、〈ジュンク堂〉では1階と3階の、ほかの新刊書の隙間に1、2冊差してあった。この差はナニ? ジュンクで、冨田均『東京坂道散歩 坂道上れば昭和が見えた』(東京新聞出版局)を買う。懸念していた通り、連載の最終回(稲付城跡の坂)は収録されていない。150回を30回削ったって、たいしてページ数は変わらないだろうに。どうしてそんな中途半端なコトをするのか?


西荻窪へ。南口を少し歩いてから、〈音羽館〉へ。猪野健治『興行界の顔役』(ちくま文庫)400円を買う。〈アケタの店〉に行くと、まだほとんど客はいない。あとから『ぐるり』の五十嵐さんが来る。そのうち、すごく派手なメイクをした年輩の女性が入ってきて、前のほうに座る。なんだかとても存在感がある。あとで渋谷毅さんと話しているのを聞き、女優の沖山秀子さんだと判る。今村昌平の《神々の深き欲望》(1968)での強烈な演技が記憶に残る。ジャズ歌手でもあり、渋谷さんも参加した[サマータイム]というアルバムがある。


今日は、渋谷毅(p)、望月英明(b)、外山明(ds)のトリオに、古澤良治郎(ds)がゲストで加わったセッション。ドラムが二人でもともとバランスが悪いことに持ってきて、その二人がいずれも変則的な叩き手だから、一筋縄ではいかない。たんたんと演奏する渋谷=望月組と、意地でも普通に叩いてやるもんかとアバレまくる古澤=外山組。しかし、その間にはちゃんとグルーヴが生まれている。そして、悪ガキのように二人でのやり取りを続ける古澤=外山に、絶妙のタイミングで渋谷が割って入る。こんなセッションが自然に(リハーサルなしに)できるのだから、ジャズマンというのは本当にスゴイ。2セット目には、沖山さんが飛び入りで、「オール・オブ・ミー」を歌ってくれた。迫力ある声だった。


セットの合間に、渋谷さんに声をかけられる。3年以上ライブに通っているが、話すのはコレが初めて。『路上派遊書日記』をお送りしたので、ぼくが何者かが判ったそうだ。こちらは緊張していたが、渋谷さんは気さくにいろいろ話してくれた。いまつくっているCDのジャケットは、『本とコンピュータ』時代の同僚だった四釜裕子さんがデザインしているとのこと。見るのも聴くのも楽しみ。たっぷり時間をかけたライブだったので、終わると11時前。ウチに帰ると12時近くだった。旬公がつくった晩飯(小あじの揚げたの)を食べる。


きりん果さんが、『路上派遊書日記』のPOPをつくってくれました。ご希望のお店は、右文書院・青柳氏までご連絡ください(mailto: t.aoyagi@yubun-shoin.co.jp)。どうぞヨロシク。