道灌山スサミ・ストリート

朝8時半起き。取材の段取りなどやってたら、出かける時間に。千駄木まで自転車で行き、〈ブーザンゴ〉前でS社のTさんと待ち合わせ。店が開いてなかったので、〈千駄木倶楽部〉へ。もう一人、Kさんも同席。おもしろそうな仕事なのだが、アレコレ調べたり考えたりするのに時間がかかりそう。帰りに〈古書ほうろう〉に寄り、さっそく関連の資料を買い込む。ウチに帰り、ジェフリー・ディーヴァー『12番目のカード』(文藝春秋)を読了。読むのに三日かかった。海外ミステリはそれほど読まないが、リンカーン・ライムものだけは新作が出るたびに買っている。『路上派遊書日記』を献本した海月書林さんから、ハガキをいただく。


午後も、ずっと雨が降り続く。天気のせいで(?)、仕事もあんまり進まず。5時に、今週できた近所の立ち飲み屋に行ってみる。入り口には、「立ち飲み屋」「自慢のつまみ」とすべて手書きの貼り紙が。まだ店主が来たばかりで、テーブルも拭いていない。発泡酒100円、ホッピー300円、つまみも100円。この安さはスゴイ。店主は前の立ち食いそば屋と同じヒト。「立ち食いそばだと儲かりませんからね」というが、立ち飲みでもこの値段なら同じなのでは……。昼間はどこかに勤めているそうで、どうりで客商売に慣れてないと思った。テレビを観ながら30分ほど。安直に飲むにはイイけど、ヒトに勧めたくなる店でもない。


この道灌山通りを歩くようになって10年近く経つが、どうもつねにイマイチというか、ピリッとしたところのない店ばかりである。新しい店ができてもさほど行く気をそそらず、そのウチに消えてしまうというコトの繰り返しで、我が家では「道灌山スサミ・ストリート」と呼んでいる(「スサミ・ストリート」は久米田康治かってに改蔵』からのイタダキ)。だけど、この通りのすさみかたは、郊外のロードサイドと違い、云いかたはヘンだけど、年季が入っているので、慣れると案外悪くない。「谷根千」というと、気の利いた店が多いと思うヒトもいるだろうが、ぼくなんかは、千駄木からこの通りに戻ってくるとちょっとホッとするのだ。それにこの通りは、西日暮里駅のガード下を抜けて、三ノ輪・南千住方面に行くためのルートでもある。


晩飯は豚肉と大根炒め。テレビで、ブレッド・ラトナー監督《レッド・ドラゴン》(2002・米)を観る。まあ、オモシロイ。トマス・ハリス原作のハンニバル・レクターもので、レクター博士はもちろんアンソニー・ホプキンス。主演のFBIはエドワード・ノートンだが、いまいち印象が薄いかな。犯人役のレイフ・ファインズは、かなり上手い。あと、いかにも小ずるそうで、ブヨブヨの肉体までさらすフィリップ・シーモア・ホフマンがイイ。彼が主演の《カポーティ》を早く観たい。


福岡「ブックオカ」での南陀楼綾繁トーク「街に出て本と遊ぼう」の予約受付がはじまりました(http://www.bookuoka.com/form/nandaro.html)。お近くの方は、どうぞご参加ください。
会期/11月5日(日)13:00〜15:00
会場/自然食品の店 ファーム2階
参加費 1,500円 (要予約)  参加費は当日会場でお支払いください