荻窪北口のふたつのカフェ

昼間は仕事の合間に、小松左京日本沈没』上・下(小学館文庫)を読む。夕方出かけて、阿佐ヶ谷へ。〈阿佐谷南口駅前のふるほんや〉に行く。「助教授」こと佐藤健太さんが店番していた。エプロン姿が板についている……と思ったら、彼はもともと町田〈高原書店〉でアルバイトしていたのであった。美濃瓢吾浅草木馬館日記』(筑摩書房)500円を買う。〈風船舎〉から北口の〈銀星舎〉〈石田書房〉を覗く。欲しい本はあったけど、ガマンしておいた。あまり期待せずに〈元我堂〉の前まで行くと、やっぱり開いてなかった。この店には入れるのはいつの日か。


荻窪へ。久しぶりに〈ささま書店〉に行くと、入口近くにタネムラ、シブサワの単行本がずらり並んでいる。海野弘さんの本もあり、「カリフォルニア・オデッセイ」の未所持の巻(4巻『癒しとカルトの大地』、5巻『ビーチと肉体』)などがあり、さっきのガマンもドコへやら、買い込んでしまった。店内で荻原魚雷さん、『ぐるり』の五十嵐さんと会い、北口の〈ひなぎく〉へ。〈海月書林〉が明日からココで店舗販売を開始ということで、オープニングパーティーに行ってきたのだった。男三人で行ったのは、おそらくガーリーな女性たちが一杯で一人だと浮くに違いないという恐怖心から。入ってみると、その通りだった。男性もいたが、どことなく植物的というか、この場になじむ人たちが多かったようだ。気がつけば、魚雷さんも五十嵐さんも隅っこの方に入り込んでいた。おい、そこは厨房だってば!


海月さんの古本コーナーは、入って左側のスペースだった。ベンチの上に本棚を設置していて、思ったよりも冊数は多い。その辺りはヒトがたくさんいたので、ゆっくり見られなかったけど、平野威馬雄の本で横尾忠則装幀のやつ(タイトル忘れた)がちょっと欲しかった。市川さんや、きりん果のお二人に挨拶するも、あとはガーリー濃度の高さにヤラれ、3人で外に出る。


どっかで飲もうというハナシになり、〈ブックオフ〉のヨコの通りを歩いていたら、ある店に〈ぬりえカフェm〉という看板が出ている。どっかで聞いたような名前だと思い、店の奥を見たら、見覚えのある着物のお姉さん二人が……。一箱古本市でご一緒した「こちどり」姉妹ではないか。向こうも気づいて、「南陀楼ちゃーん!」と飛んできた。モテモテです(笑)。すごいイキオイで店内に連れ込まれ、お茶をごちそうになる。ココは、谷口さんのご主人のぬりえを展示している期間限定のカフェらしい(http://www.hobbysworld.com/taniguti/4.html)。二人のパワーに、魚雷さんも五十嵐さんもコトバを失っていた。店を出てから、魚雷さん曰く「親戚のおばちゃんの家に来たみたい……」。でも、3人ともさっきの〈ひなぎく〉よりはなじんでいたトコロが、なんか情けない。駅のそばのゴチャゴチャした飲み屋街に行き、〈カッパ〉というモツ焼屋で、ちょっとした密談。コレは実現したいね。


帰りに新宿で下りて、ルミネ2の〈ブックファースト〉に寄る。閉店間際だったが、ざっとみて回る。『nu』第2号があったので、買う。佐々木敦×宇川直宏岸野雄一×細馬宏道といった対談をメインとする、テキスト系インディーズマガジン。先日、ここの編集のヒトからメールがあり、「あなたのブログのある日の記述を引用させてほしい」と依頼されていた。よく判らないママにOKしたのだが、パラパラめくってみるとたしかに使われていた。何日の何についての記述か、ヒマな人は探してみよう。知り合いのブログからも引用されていた。11時ごろ、家に帰ってくる。