ふちがみとふなと、古書ほうろうで歌う

朝8時半起き。コンビニにゲラをコピーしに行ったときに、『週刊文春』をパラパラ見たら、坪内祐三文庫本を狙え!」で塩山芳明『出版業界最底辺日記』が取り上げられていた。森茉莉についての評価の変化など、少ない字数で塩山日記の特徴をつかんだ評だと思う。


そのあと、仕事にかかる。じりじりと進めてはいるが、ノリは悪い。昨日買った、若竹七海『猫島ハウスの騒動』を読み終わってしまった。全編ネコが出ずっぱりのコージー・ミステリ浅生ハルミンさんに薦めよう。


5時、〈古書ほうろう〉へ。奥の方で、ライブの会場準備が進んでいる。ぼくもちょっとだけ手伝う。ふちがみとふなとの二人から、西日暮里駅で雨宿りしている(なにしろベースがあるので)という連絡あり。到着を待つうちに、友部正人さんと奥さんがいらっしゃる。友部さんは10月9日(月祝)に、ほうろうでライブをするコトが決まっている。そのうち、渕上さんと船戸さんが到着。セッティングにはいる。6時半に開場。しばらく前から待っていたお客さんが、次々に入ってくる。45人ぐらい入ったそうだ。エンテツさんも来てくれた。


ふちがみとふなとは、最初の一音から聴く者をつかんでしまう。新刊書店や古本酒場でやったことはあっても、純粋な古本屋でのライブは初めてということで、「古本屋のうた」を聴かせてくれる。休憩を挟んで20曲近くやったが、ぼくの大好きな「坂をのぼる」「田舎道」そして「at home」という、いわば「ふちふな・ノスタルジア三部作」が聴けたのがヨカッタ。アンコールでは、ぼくのリクエストでバートン・クレーンの「威張って歩け」、前に座っていたギタリストの矢野敏広さんのリクエストで「耳国国歌」。それでもアンコールの拍手が止まず、最後に「百万円拾ったら」という曲(これもバートン・クレーンじゃなかったっけ?)。


ライブ終わっても、店内にヒトが残り、本やCDを買っていた。宮地さんも「こんなに本が売れるライブははじめて」と云っていた。店を閉めてから、ふちがみとふなと、友部夫妻、小森さん、矢野さん、寒空はだかさん(今度ふちふなと共演するそうだ)、近藤十四郎さん、ほうろうのメンバーで打ち上げ。渕上さんに「吉田ハウスレーベル」の名の由来を訊くと、前に住んでいたアパートから取ったそうだ。ベースを運ぶため先に出た船戸さん以外は、11時すぎまで残っていろいろ話す。とても楽しい夜だった。