「銀座ブックバザール」、はじまりました

朝8時半起き。昨日の空きスペースが気になって、もう一度、家中を捜索して売れる本を選ぶ。旬公も写真集などを提供してくれたので、かなりの量になった。昼過ぎまでに値付けを終える。うどんを食べてから、ちょっと別の仕事して、2時過ぎに出発。電車で行こうと思ったが、トランクのあまりの重さにメゲて、タクシーに乗る。昨日とは別のルートで松坂屋に到着。


初日の午後だから混んでいるだろう、そこに入っていて本を補充するのは気が重いなあ、と思っていたら、会場は空いていて拍子抜け。手早く補充を終えられたのはイイけど、大丈夫なのか? なんでも、浅草松屋の古本市と初日がぶつかったらしい。明日から盛り返せればイイのだが。


というワケで、松坂屋 夏の古本フェスタ「銀座ブックバザール」は、本日から17日(月・祝)まで開催されます。南陀楼&内澤のコーナーの今回の目玉は、竹内博編『証言構成OHの肖像 大伴昌司とその時代』(飛鳥新社、1988年)あたりでしょうか。ちょっと高くつけてしまいましたが、珍しい本ではあるし、タマには儲けさせてくださいよ(懇願)。CDもワリと変わったところを出しています。どうぞよろしくお願いします。


日比谷まで歩き、三田線で神保町へ。〈書肆アクセス〉を覗くと、『出版業界最底辺日記』のサイン本が。本の内容とは似ても似つかぬ弱気な書体での署名に、思わず噴き出す。いつもはもっと荒くれた字を書くし、「塩Q」なるキャラクターの絵も添えるのに、なんか遠慮しているようだ。ご本人の「日刊漫画屋無駄話」(http://www.linkclub.or.jp/~mangaya/nikkann.html)を見ても、自著に対する殊勝な姿勢がうかがえる。

▼神保町新刊書店、拙著待遇ウォッチング。ベスト1。「三省堂」2階。ちくま文庫コーナーの角に、何と2段も平積み(他は1段)。同店、2階のトイレにしか行かない日も多いが、今後は考えを改めよう。一水社版を腐るほど売ってくれた、「すずらん堂」には1冊ポツリ。で、なぜか同時発売の、高取英の『寺山修司』(平凡社新書)を「日本特価書籍」で買おうとしてると、同世代のゴマ塩頭が、すぐ隣の『出版業界最底辺日記』をパラパラ。「買えっ!!!」と内心念じたが、棚に戻しやがる。秋にすい臓ガンで死ぬだろう。('06.7/12)


もっとも出足はなかなか好調なようで、〈書泉グランデ〉では今月刊行のちくま文庫の平積みの中では、ダントツに減り具合が早く、上にあるように〈三省堂〉でもこの本だけ2面積み。仕掛け人としてはホッとしている。


Folio〉に行き、海野弘さんと打ち合わせ。右文書院の青柳さんも来て、「海野弘コレクション3」の書き下ろし原稿を受け取っていた。自著100冊を回想する自伝、もう少しで脱稿するようだ。早く読みたいなあ。こちらはこちらで、ある企画についてご相談。なるべく早く固めたい。


大阪の編集工房ノアより、PR誌『海鳴り』第18号が届く。毎号、滋味豊かなエッセイが載る雑誌だが、今号はぼくも「『川崎彰彦という磁場』に引き寄せられて」という文章を書いている。サブタイトルに「『ぼくの早稲田時代』編集前史」としたように、この本に関わったきっかけを書きつつ、この数年の、ぼくの関西とのつながりをふりかえったもの。場違いでなければイイけど。冒頭には、天野忠の未発表原稿から「このごろ」という短文が掲載されている。60歳にして小さな書斎を持つことへの期待をユーモラスに語りながら、最後に、これからの仕事への覚悟を記している。とてもいいエッセイだった。