トーク巡業その1・池袋で書斎のハナシ

午前中、『進学レーダー』の原稿を書く。うどんを食べて、午後はいくつか資料読み。〈往来堂書店〉に寄り、『ミーツ・リージョナル』の別冊「東京出張」を買う。不忍ブックストリートも登場。岡崎武志さんの神保町ガイドも。ほかに、細馬宏通『絵はがきの時代』(青土社)を買う。


5時すぎに、旬公と出かけて、池袋へ。土曜日の夕方って、こんなにヒトが多かったっけ?〈リブロ〉を覗いてから、〈ジュンク堂書店〉へ。4回の喫茶室に着くと、福嶋さん、アベちゃんたちが、会場設営中。紀田順一郎さんがいらして、控え室であれこれ話す。今度館長になられた神奈川近代文学館http://www.kanabun.or.jp/)の書庫を見学させていただけるというコトで、うれしい。現在、同館では「中野孝次展 今ここに生きる」を開催中(7月30日まで)。


客入れがはじまり、7時前に呼び出される。40数名、満員御礼。長方形のスペースだが、奥に座って話すのかと思ったら、壁際の長辺の中央に二人が座り、その外側をまたお客さんがはさむカタチだった。今回は司会を福嶋さんがやってくれるので、ぼくは気が楽。われわれ裏方はヨコから遠目で覗くというカンジになった。今日のテーマは、「書斎を見る愉しみ」だが、紀田さんは『センセイの書斎』を細部まで読み込んでくださり、その上で、自分の書斎についてもたっぷり話してくださった。旬公もリラックスして話せたようだ。紀田さんが何かの出版記念会のためにつくったという、上から本が落ちてきて自分の頭に当たるという自作の8ミリ映画をぜひ観てみたい(記念会では活弁付きだったとか)。一通りハナシが終わったあとの質疑応答もなかなか活発で、よかった。希望者にサインをして、9時には終了。このブログや「書評のメルマガ」を見ていらしていただいた方、ありがとうございました。


紀田さんはお帰りになったが、関係者+有志で近くの〈北海道〉という居酒屋で打ち上げ。Kさんが「日垣隆さんがいらしてましたね」と云うも、しばらくピンと来ず。そういえば、後ろのほうに鋭い目つきの男性が座っていて、裏方が動くたびにじーっと見ていたようだった。どこかで見た人だなあとは思ったのだが、例によって、記憶と名前が一致せず、その男性が帰るときに、こちらに会釈されたのにも「あ、どうも」と曖昧な挨拶をするしかなかったのだ。どういうトコロに興味を以って来場されたのか、訊きたいような、コワイような……。


お開きになり、エレベーターで下に降りるとき、「本って出して終りじゃなくて、それをきっかけに、何かが広がっていくんだよね」と話したら、福嶋さんが、「むしろ、本は出発点なんです」と答えた。たしかに。とくに最近その思いを強くしている。山手線で帰り、片づけをして、《やりすぎコージー》を観て寝る。