7月は火星の庭で

7月に、仙台〈火星の庭〉で、「チェコマッチラベル展」と「一箱古本市」、そして南陀楼トークを行ないます。以下、火星の庭の前野久美子さんがまとめてくれた告知です。

7月の火星の庭は「ナンダロウアヤシゲな7月」です!


7/6〜7/31  展示   「チェコマッチラベル展」
7/8     トーク  「ナンダロウアヤシゲ流 紙モノの旅」
7/8〜7/9  古本フリマ「一箱古本市 仙台」


★「チェコマッチラベル展」
2006.7.6(木)〜7.31(月)
11:00〜20:00(日&祝〜19:00 毎水曜・第2火曜定休)

ちいさな灯りをしまった小箱の装飾、マッチラベル。「チェコマッチラベル」著者の南陀楼綾繁さんのコレクションをお借りして、ついに仙台でもお披露目です。幻想的な絵本や瀟洒なブックデザインで知られるチェコならではの素敵なマッチラベルの世界をお楽しみください。


南陀楼綾繁トーク
「ナンダロウアヤシゲ流 紙モノの旅」
2006.7.8(土)18:30〜20:00
会費:2000円 1ドリンク&来場者全員におみやげ「ナンダロウ引き札」
(ナンダロウ収集秘蔵紙モノ!なにが当たるかは引いてからのお楽しみ)
定員:40名(要予約。火星の庭までメールか電話にてお願いします)
場所:book cafe 火星の庭

ライター&編集者で紙モノの蒐集家である南陀楼綾繁(ナンダロウアヤシゲ)さんをお招きして、チェコマッチラベルの魅力を語っていただきます。さらに戦前日本から海外までの世界の紙モノ蒐集史についても、秘話をおりまぜて、たっぷりお聞きします。一箱古本市終了後、同じ会場で行います。


★「一箱古本市 仙台」
2006.7.8(土)〜7.9(日)
11:00〜17:00
場所:book cafe 火星の庭

一箱、2日だけの古本屋が50軒大集合。それぞれマイ・テーマがついて、ちょっと変わった古本フリマです。思わぬ掘り出し物もあるかもしれません。もちろんおいしいドリンクとお菓子も用意しています。のんびり散歩気分でお立ち寄り下さい。

一箱古本市」は2005年4月に南陀楼綾繁さんら有志で不忍ブックストリート(東京の谷中、根津、千駄木あたり)界隈に第一回が開かれました。仙台、book cafe火星の庭では50人の出品者が一箱づつ本を持ち寄り、販売します。古本のほか、手製本やミニコミ、紙モノも出品予定。南陀楼綾繁さん、不忍ブックストリートからも参加しますので、お楽しみに。


book cafe 火星の庭
〒980-0014 仙台市青葉区本町1-14-30 ラポール錦町1F
tel 022-716-5335 fax 022-716-5336
OPEN/11:00〜20:00(日祝は19:00まで) 定休日/毎週水曜、第2火曜
kasei@cafe.email.ne.jp
http://kaseinoniwa.com/

というワケで、なんだかやたらと濃い2日間になりそうです。ぼくのトークに40人も集まってくれるか不安で、前野さんに「入場料をもっと下げては?」と進言したのですが、「大丈夫、集まりますって!」と一蹴されました。閑古鳥が鳴かないよう、仙台および近県の方は、一箱古本市を覗きがてらお出でください。なお、このときに、南陀楼綾繁『路上派遊書日記』(右文書院)が会場で販売できる……ハズです。確約はできませんが。編集にかかわった塩山芳明『出版業界再底辺日記 嫌われ者の記』(ちくま文庫)も見本ぐらいはできているかも。


今日はいい天気。人出も多く、とくに根津交差点の辺りは、自転車で行くと身動きがとれず。午後1時から、文京ふれあい館で一箱古本市の反省会。2時間で終えたかったが、案の定、4時までかかった。今年の反省を踏まえて、来年のやり方をかなり大きく変えていくというコトではみんな一致したように思う。〈豆腐room DY’S〉で、ミカコさん、旬公とコーヒーを飲む。加福さんの〈文句堂〉棚、量が増えていた。海外文学やサブカルを中心にすごくイイ本を置いているし、値段も安いんだけど、スタイルをつくりすぎ、なのではないでしょうか。店に入ってくるお客さんが対象なのだから、もうちょっといろんなジャンルの本を置いた方がいい。それが撒き餌になって、ほかの本にも手が届くこともあるんだから。いまは、綺麗なインテリアとして背景に溶け込んでしまっている。などと感じつつ、松本道子『きのうの空』(牧羊社)を購入。講談社の編集者で、もう一冊『風の道』という著書のある人のエッセイ集。推薦文を戸板康二が書いている。700円だったと思う。


一度ウチに帰り、7時半に旬公と出かける。渋谷に行き、道玄坂の〈梅蘭〉という中華料理屋へ。ココの特製の焼きそばというのが、うまい。普通の焼きそばの上に、卵のおこげみたいなのが乗っているのだ。9時に、ホテル街のど真ん中にある〈Q-AXシネマ〉へ。このビルには移転した〈ユーロスペース〉も含め、4館の映画館が入っている。入口にはカフェがあるが、その前の辺りに夜遊びの子どもたちがたむろしている。階段の辺りにも映画を観るとは思えないガキどもがうろうろしていて、どうも落ち着かないカンジだった。


ココで観た映画は、フィリプ・レンチ《プラハ!》(2001、チェコ)。1968年、「プラハの春」崩壊直前の夏の青春もの。半分ぐらいはミュージカル仕立てになっている。邦題は「プラハ」だけど、舞台となっているのは郊外の田舎町。そこにやってくる脱走兵と、地元の女の子との恋愛を描く。こういった要素といい、ミュージカルシーンといい、ジャック・ドゥミの《ロシュフォールの恋人たち》(1966、仏)をかなり意識しているようである。しかし、フレンチ・ミュージカルをめざしたのに、結果としては日本のミュージカルのように、泥臭いモノになってしまった(フランキー堺の《君も出世ができる》をなぜか思い出した)。もちろん、それが悪いわけではなく、その洗練されなさがあるからこそ、客はミュージカルという時代錯誤の形式を受け入れられるのだ。地元の三人組の「イケてなさ」もイイ。音楽は欧米のポップスのチェコバージョンのようだが、それらが当時のチェコでレコーディングされていたのかが知りたい。ベンチャーズのパロディっぽい曲もあったが、アレはチェコのバンドのオリジナルなのだろうか、とか。けっこうおもしろく観たので満足。これで、あんな場所まで行く必要がなければねえ。