地下室の書斎からアンダーグラウンドブックカフェへ

朝8時起き。昨日に続き、もう一紙の書評を書く。本のあっちこっちを引っくりかえし、何度か構成をやり直し、11時過ぎにできあがる。すぐに出かける準備をして、旬公と出発。『彷書月刊』5月号で岡崎武志さんの特集を組むので、われわれ「10円コンビ」に岡崎邸の書斎をイラストルポしてくれという依頼があったのだ。なにしろ、岡崎さんはコンビ名の名付け親だからなー、ナニを措いても駆けつけねばならない。それにしても、さっきまで書いていた書評も、岡崎さんの『気まぐれ古書店紀行』であり、今日は一日オカザキ漬けになりそうだ。


新宿から中央線に乗り、国立へ。腹が減ったので、北口を出てスグのところの大衆食堂へ。ぼくは日替わりのトンカツ定食、旬公はカキフライ定食。けっこうウマカッタ。客は数人しかいないのに、調理場にはおじさんが2人、おばさんが2人、女の子が1人の計5人もいる。女性達はオーダーを伝え終わると、ヒマそうに世間話をしている。こんなに人件費つかって大丈夫か、この店は。店から岡崎さんに電話し、車で迎えに来ていただく。途中、「あのちょっと高いあたりに小島信夫先生の家が」とか、「ココを曲がったところに亀和田武さんが」と案内をしてくれる。


岡崎邸に到着し、地下の書斎に向う。旬公は2年半ぶり、ぼくは2年ぶり(林哲夫さんが泊まったときにちょっと遊びに行った)だが、本の量は……。ここから先は記事に書くので、そちらで確かめてください。計測と本棚のメモを二人で分担したが、それでも3時間かかった。終わって、岡崎さんにまた国立まで送っていただく。


中央線に乗り、ぼくは三鷹で降りる。久しぶりに〈上々堂〉へ。コモリさんに、「一箱古本市」のポスターを手渡す。「古書モクロー」の二か月分の売上を受け取る。いつもだと、平日の夕方でもけっこう客が多い店なのだが、今日は話している間、客の姿が見えず。イイ本置いている店なので、駅から遠くてもせっせと足を運んでほしいものだ。駅に戻る途中、〈文鳥舎〉に寄るが休み。ポストにポスターを入れておく。


東西線で竹橋乗換え、神保町へ。〈岩波ブックセンター〉で柴田さんにポスター手渡す。〈書肆アクセス〉では、往来堂の笈入さんが先に持ってきていた。いきなり大判になった『フリースタイル』第4号(『オリーブ』特集で、束松陽子さんが登場)と、堀雅昭『杉山茂丸伝 アジア連邦の夢』(弦書房)を買う。それから〈書泉グランデ〉で、黒川博行『暗闇のセレナーデ』(創元推理文庫)を。そのあと、〈ぶらじる〉で『T』のために、「アンダーグラウンドブックカフェ」について、〈中野書店〉の中野智之さんと〈西秋書店〉の西秋学さんにお話を伺う。次回、第7回は6月4日(日)〜6日(火)に開催。3つのトークショーが行なわれるとのこと。


取材を終わり、渡し忘れたモノがあるので、閉店後のアクセスに戻る。畠中さんに金沢の土産である「ビーバー」という揚げ菓子を渡す。コレは、金沢で泊めてくれたアラキが、「美味しいんですよー、ビールのつまみにいいんです」と勧めてくれ、翌日、近江町市場のスーパーで買ったものだ。畠中さんなら喜んでくれるだろうと思ったのだが、案の定、ウチに帰ったら、「書肆アクセス半畳日録」(http://plaza.rakuten.co.jp/accesshanjoe/)に「ビーバー」を一気食いしたことがアップされていた。しかも図版入りで……。さすがである。


金沢といえば、11〜13日まで滞在したことを書けずにいるが、とても楽しかった。アラキさんには夫婦して二泊もさせてもらい、たいへんお世話になった。そのアラキが提案し、ぼくがセレクトした、「懐かしさが新しい」というフェアが、〈リブロ〉金沢店2階で開催中です。100冊ぐらい選んだのだが、小出版、ミニコミも含めてほとんど仕入れてくれた。近くには、松田哲夫内澤旬子『「本」に恋して』(新潮社)のイラスト展示もあって、いい感じ。このフェアは4月半ばぐらいまで続くようなので、石川県および近県の方にはぜひ足を運び、一冊でもいいので購入してほしい。ちなみに、アラキは店では(っていうか結婚したから)ナカオさんです。声をかけるときにはご注意。


9時前にウチに着く。晩飯は、シャケやヤマイモ、大根をフライパンで焼いたもの。旬公の豪快料理だった。『進学レーダー』のゲラをチェックしたりすると、12時になった。いろいろ動いた一日だった。