脇役本と国際結婚

朝9時起き。雑用を済ませ、10時半に出かける。〈古書ほうろう〉に寄ると、新入荷コーナーに山本為世子『愛すべきガキ大将』という、A5判の私家版っぽい本が。カンが働いたのか手にとってみると、おお、山本麟一の奥さんが書いた本じゃないか。濱田研吾さんの『脇役本』にも載っていたはず。1000円と安いので、買っておく。あとでウチに帰って、『脇役本』を引っ張り出してみると(奇跡的にミニコミ版も右文書院版も見つかった!)、ミニコミ版では、この本を「地味で埋もれた脇役本ではあるけれど、やさしい気持ちにさせてくれる好著」と評価し、右文版では、「彷書月刊」田村編集長からの教示として、「最初はまんじゅう本として出て、あとから彌生書房版が上梓されたという」とある。で、今日買った本なのだが、これは、彌生書房版の前年(1983年)に著者が刊行した「まんじゅう本」だった。もっとも、表紙は彌生書房版と同じなので、あまりアリガタミはないかもしれないが……。私的連絡。ハマびん、この私家版を持ってなければ貸しますよ。一週間経ったらドコかに紛れ込むこと請け合いなので、早めにご連絡を。


ほうろうを出て歩き、須藤公園の手前に来ると、デザイナーのIさんの事務所のあるマンションの前にオヨちゃんがいた。同校の印刷所の人に、入稿データを渡してもらうことになっている。ぼくはそっちには立ち会わず、谷根千工房に行く。先日スタートしたある企画の会議。工房のサトちゃんと編集者のYさんと3人で、地味に資料を検討していく。疲れるけど、楽しい作業だ。1時過ぎに終わる。千駄木駅近くの弁当屋の二階にある、〈杏花楼〉という中華料理屋に入ってみる。メニューを見たら、1000円以上のものが多くてビビる。950円の上海焼きそばは、たしかに美味しかったが、量的にはちょっと物足りない。


千代田線で仕事場へ。複数の作業、連絡を行なう。並行してやるときは、手元のメモに項目を書き出して、終わるたびに線を引いていく。ぜんぶに引き終わると達成感がある。6時に出て、お茶の水丸善〉へ。野中英次魁!!クロマティ高校』第16巻(講談社)と『映画秘宝』を買う。Mさんと待ち合わせて、〈ミロ〉へ。今度出る本の校正をやってもらうことになった。Mさんから「先週結婚しました」と云われてびっくり。彼女はイギリス人の彼といっしょに住んでいるのだが、Mさんの実家でその彼と結婚式をやったのだという。そりゃ、めでたい。このところメールでも電話でもやり取りしてたのに、その話をいっさい口にしないところが、このヒトらしい。それにしても、21日(火)にパーティーがあったのだが、チェコ人のラデク・ランツさんが日本人の彼女と結婚したコトといい、国際結婚が続くなあ……。それも日本人の女性が外国の男性と結婚するケースが多い。べつにナショナリストじゃないが、日本の男もがんばれよ、と云いたくなる。まだ若い「大阪のチン」くんあたりは、ゴージャスな異国の女性(図書室のあるお城つき)と結婚するのを今後の目標にしてはどうだろう。


7時半、駿河台下の〈八羽〉へ。何年前か『彷書月刊』の忘年会で来て以来だ。先に、堀切直人さんと右文書院の青柳さんが来て飲んでいる。焼酎のお湯わりを飲み、鳥料理を食べる(竜田揚げが美味しかった)。堀切さんから、5月刊行予定のぼくの日記本のゲラを読んでの感想&ツッコミがいろいろ入る。鋭いなあ。青柳さんから小沢信男さんが書いた『浅草 戦後篇』の書評が載った『図書新聞』をいただく。とてもいい書評で、小沢さんも堀切さんも好きなぼくにはウレシイ。10時すぎにお開きになり、いっしょに千代田線に乗り、西日暮里で別れて帰る。電話やメールで取材の段取りをやり、1時には寝てしまった。