阿佐ヶ谷で初めての古本屋を駆け足

9時起き。午前中は机に座り、原稿を書いたり、遅れた「書評のメルマガ」を編集して発行したり。昼はパスタ。旬公がもらってきた馬肉の燻製を炒めて、カルボナーラに。ベーコンみたいでけっこうウマい。そのあとも少し仕事して、5時に出かける。


阿佐ヶ谷に行き、まず〈ラピュタ阿佐ヶ谷〉で7時の回の整理券を確保。それから北口・中杉通りへ。〈石田書房〉という店が去年できたと聞いたので、そこをめざして歩いたのだ。この通りを北に歩くのは初めてかもしれない。しばらく行くうちに、右側に〈銀星舎〉という古本屋を発見し、入ってみる。小さな店だが、文学書がよく揃っている。タネムラ、シブサワ系は文庫も単行本も多い。値段も手ごろ。しかし先を急ぐので買わず。しばらく行くと、今度は左側に古本屋が。〈ゆたか。書房〉とある。高円寺展でよく見かける名前。ココで店売りやってたのか。硬めの本全般といった印象。さらに先に行くと、左側に目的の〈石田書房〉があった。映画書を中心にサブカルチャーの本を選んで置いている。小林信彦の本にも珍しいのがあった。〈オヨヨ書林〉並の値段なので買えなかったが。並べ方に独の世界があるタイプの店。掛かっている音楽はジャズ。時間があったら、ゆっくり時間が過ごしたいのだが、今日は一回りして出てしまった。


その辺りから一本内側に入り、南に向って歩く。前に開いてなかった〈元我堂〉に行ってみる。シャッターが上がっていてナカに人がいるので営業中かと思ったら、妙に薄暗くて、よく見ると「今日の夜はお休みです」とある。目の前の店が開いててヒトがいるのに休みなんて、なんか納得できないなあー。


ラピュタに戻り、6時50分に入場。「文豪たちの昭和」という特集で、純文学作品が原作の映画を掛けている。今日観たのは中村登監督《渡る世間は鬼ばかり ボロ家の春秋》(1958)。梅崎春生の『ボロ家の春秋』が原作で、ほかの短篇も混ざっているらしい。パンフなどには《渡る世間は鬼ばかり》と入っているが、タイトル画面にはその文字はナシ。『ボロ家の春秋』を読んだのはかなり昔だし、文庫本もいま出てこないのだが、映画は設定だけ生かして、人間同士のドタバタを描くコメディとしてつくられている。中村登井伏鱒二原作の《集金旅行》(1957)など、文学作品の映画化が多いヒトだが、それが性格なのか、会社の要請なのか、原作の微妙な襞をぜんぶ取っ払ってしまって、判りやすいハナシに仕立てている。ヘンな人が続々登場してくるのだが、どれもイマイチはまってなくて、全体に一本調子なので、途中で少し眠ってしまった。有馬稲子はやたらグラマーで魅力的でヨカッタけれど。ウチに帰り、レバー入りのカレーを食べる。あとはテレビを見ながら、ちょっとした作業を。