東京は寒いよ

朝9時に目覚ましを掛けていたが、あまりに寒いのでもう少し寝てしまう。札幌にいたとき、地元のヒトに何度も「寒いでしょう?」と訊かれたが、東京の寒さのほうがぼくにはコタエる。仕事場に行き、あれこれ。『週刊読書人』に、田村七痴庵さんが『ブックカフェものがたり』の書評を書いてくれている。短い字数なのに、自身の古本と喫茶店に関わるいろんなエピソードを惜しげもなく盛り込み、それが本書の紹介にもなっているという素晴らしい文章。ホントにこのヒトの書評はうまいなあ。田村さんに書いてもらって、とてもウレシイ。


神保町に出かけたら、靖国通りに出たところで古書通信社の樽見博さんにバッタリ。こないだ〈田村書店〉前で借りた100円を返す。その田村の外台に寄って、高見順編『銀座』『浅草』(英宝社)各300円。〈書泉グランデ〉の地下で、嵩元友子『銀座並木座 日本映画と歩んだ四十五年』(鳥影社)、『映画秘宝』3月号を。上で、中原昌也ほか『嫌オタク流』(太田出版)、『エスクァイヤ』3月号(特集「美しい本、230冊」)を買う。〈書肆アクセス〉では、『「新青年」趣味』第12号(特集「夢野久作」)が入っていた。特集よりも、『子不語の夢』の脚注を書いた村上裕徳氏の「脚注王の執筆日記」が読みたくて買う。『フリースタイル』第3号では、鏡明マンハントとその時代」が始まった。


6時半に仕事場を出て、ウチに帰る。電車の中で、『嫌オタク流』を読む。目次のところが袋とじみたいになっていて、ワザとかと思ったら裁断ミスだった。中原昌也高橋ヨシキと、オタク側の二人(海猫沢めろん更科修一郎)との座談。このところの「萌え」関係本のなかではダントツにおもしろい。マジメにオタク批判する高橋に、あくまで茶化そうとする中原昌也のタッグが最高で、前半に自己分析のできないオタクを、後半に冷静なオタクを配した構成もいい。「自分の好きなものが認められると自分自身の価値が底上げされる」という錯覚は、オタク界だけでなく、いろんなところに見られるので、他人事ではない。


晩飯の後、「まぼろしチャンネル」の原稿を書いてから、長くなるから書かずにおこうと思った札幌滞在の日記をやっぱり書き始めてしまい、予想通り、時間が掛かった。もう2時半だ。