ついに揃った!『髫髪(うない)歓賞』

kawasusu2006-01-12

8時半起き。10時ごろに電気屋さんが来る。もともと据え付けてあったエアコンが調子悪いので見てもらうのだ。足の踏み場もなく、業者が来るといつも呆れて帰るため、この数日、旬公が奮闘して床が見えるようにした。しかし、それでもまだヒトが呼べる状態ではない。それなのに、なぜか大家のおじいさんが、べつに用事もナイのに一緒に上がりこんでくる。本人には悪気はないのだろうが、困る。だからといって強く云っても、その場は謝ってもまた同じコトやるんだよなあ。


バスで浅草へ。〈松屋浅草店〉の古本市へ。今回はいい本が多く、けっこう買ったが、べつのところで書くつもりなので略。ただ、目録で注文した板祐生の『髫髪(うない)歓賞』全6冊、2万5千円が入手できたコトだけは書いておきたい。板祐生鳥取県西伯郡西伯町(町村合併により現在は南部町)で、孔版画を描き、謄写版で印刷の冊子を発行した人物。ポスター、手ぬぐい、マッチラベルなどのコレクターでもあった。ぼくは数年前から、祐生のコレクションを所蔵する〈祐生出会いの館〉に何度か通っており、資料調査もさせてもらっている。祐生の冊子でいちばん長く出たのは『富士乃屋草紙』だが、昭和8年から10年にかけて刊行された『髫髪(うない)歓賞』6冊も、完成度の高いものである。今回出たのは、あるコレクターからまとめて出た郷土玩具関係の資料のナカにあったもので、全冊をまとめたオリジナルの秩をつくり、さらにそれを和紙で包んでいる。どちらにも手書きの題箋が付けられており、愛情が感じられる。久しぶりに、大物を獲たという気がする。大事に所蔵し、有効活用したい。


銀座線で日本橋に出て、東西線で竹橋へ。取材までちょっと時間があるので、神保町をうろつく。もと〈北沢書店〉の一階にできた〈ブックハウス神保町〉に初めて入ってみるが、ウワサどおり、つまらない。B本(自由価格本)主体でやりたいのか、児童書主体なのかがよくワカラナイ。坂口三千代『ひとりという幸福』(メタローグ)を半額の600円で買う。〈@ワンダー〉で、1970年代の『SFマガジン』2冊と、創刊〜3号の復刻版を買う。昨日、国会図書館でコピーした号だが、現物も安かったので。最初からココに来ればヨカッタかな。〈田村書店〉の100円均一BOXで、1971年の雑誌『デザイン』を発見。石子順造の「日本のKITSCH」、草森紳一「江戸のデザイン」、海野弘「建築から演劇へ」などが連載され、当時、新進気鋭のデザイナー、画家、写真家、評論家が総動員されている。A4サイズで重く、松屋で買った荷物をあわせるとイヤになるのだが、しかたがない。


さらに、先日行った〈ソラリ〉にも顔を出す。建築デザインシリーズ『喫茶店1』(井上書院)1000円。1950年代の〈アマンド〉〈千疋屋〉〈らんぶる〉など12店の店内が。マッチラベルのデザインを紹介したページもある。このシリーズの喫茶店の巻はあと3冊あるらしいので、集めたい。それと、『VIRGIN VS Express』というパンフレットを1200円で。1stアルバムの発売の宣伝として1981年に出されたもので、A4判・8ページ。A児(あがた森魚)をはじめとする、メンバー紹介も。そういえば、こないだ案内ハガキが来ていたが、先週ライオンメリィが久々にライブをやったらしい。こういう1980年代サブカルものの紙モノ(チラシとかパンフとか)は、いまやってるコトに直接関係ないので買わないようにしたいのだが、懐かしさからつい手が出てしまう。


2時に、〈誠心堂書店〉へ。店主の橋口さんも協力しているプロジェクトに関する取材。終わって、水道橋駅まで歩き、総武線と山手線を乗り継いで帰ってくる。荷物が重くて、へとへと。少しヨコになり、伊藤理佐の新刊『女いっぴき猫ふたり』『おるちゅばんエビちゅ』第13巻(双葉社)を読む。ささやかな幸せ。このヒトはいま、絶好調だなァ。雑用をこなしながら、夜は松本清張原作のドラマ《けものみち》を観る。以前にNHKでドラマ化したのも、たぶん映画のほうも観ていて、どちらもオモシロかった。なによりタイトルが「けものみち」とくれば、本で埋まったウチの部屋のことのようで他人事とは思えず(そういうハナシではありません)。初回は、米倉涼子佐藤浩市も熱演だったし、演出もねちっこくてなかなかヨカッタ。