国会図書館でとまどう

kawasusu2006-01-11

8時半起き。ウチで雑用をすませ、千代田線で国会議事堂駅へ。国会図書館で調べものをする。久しぶりに来たので、システムの変更にとまどう。登録カードを持ってはいたのだが、そのときはまだ新システムが動いてなかったのだ。入口の機械に登録カードを差し込んで、入館証を受け取る。ナカに入ると、この入館証でOPAC検索から本の請求、到着状況の確認、コピーの申し込みまで、オンラインでこなすことができる。ハナシには聞いていたが、コレは便利。以前は新刊と本館を行ったり来たりしながら、請求票を出していたのだが、一台のOPACから動かずに両方に請求票が出せる。オンラインになった分、本が出てくるまでの時間も明らかに短縮された。しかし、こうやってすべてがオンライン・ベースになると、けっこうめんどくさいコトも多い。コピーは、コピーの申請書をプリントアウトしてそこに手書きでページ数を書き込むという二度手間。いろいろ細かい制限がある点は変わっておらず(まあお役所だからアタリマエだが)、その上にコンピュータを操作せねばならぬとあって、不機嫌な顔になっている老人が多かった。ぼくも、よく判らずにヨコにいる館員に注意されること、しばしば。まあ、そのうち慣れるのだろうが。


3時ごろまで、単行本と雑誌、新聞の調べを行ない、仕事場へ。あとはメールを書いたり、書類をつくったり。こないだから、「ブログで見ましたがNさんの連絡先を教えてほしい」などの安直な依頼が多く、ちょっとキレる。テレビ製作会社や出版社というそれなりに情報源を持っている立場のヒトが、まず自分で調べてもみないで、メール一本で済まそうとする姿勢はどうなのか。教えない、というのではなく、順序の問題だ。


いろいろやってたら出るのが遅くなってしまった。7時半ごろ出て、都営新宿線で新宿、小田急線で経堂へ。こんな時間にやっている〈ロバロバカフェ〉の古本市に行くのだ。到着して、あまり広くないスペースなのに案外、本が多いことに驚く。個人でやっているオンライン古書店など8店が参加。海外ものでウーンと唸るいいモノもあり、ありふれた本に強気の値段つけてますなあというモノもあり、さまざまだが、店ごとに特徴があって楽しかった。ナカでも、〈ninon books〉〈booby bookstall〉、そして先日取材させてもらった〈a2g+(books)〉がとくにヨカッタ。買ったのは、1950年代(?)のアメリカのレシピファイル。3800円。自分で書いたレシピを、あらかじめ綴じこまれている封筒に収めるようになっている。表紙もキレイ。「封筒本」をつくっている旬公にプレゼントしよう。それと、『INVENTORS STAMPS』というアメリカのスタンプブック。1100円。テキストのヨコにスペースを空けておき、そこに蒐集した切手の現物を貼るようになっている。こういう本自体はよく見かけるが、この本に関しては、切手の貼り方が異様にザツなのが笑える。ぼく並みに不器用なヤツの手になるものか。それと500円均一の棚から、吉本晴彦『どケチ生活術』(サンケイビジネス)を買う。「大日本どケチ教の教祖」だという著者が、ソロバンを持ってポーズを決めている写真と、関西弁の本文に惹かれて。


店主のいのまたさんから、古本市にあわせて出された『ENQUETE』という小冊子をいただく。参加した8店に加えて、〈海月書林〉〈蟲文庫〉ほかの店に共通の質問を出し、それに答えてもらうというアンケートを掲載。それぞれの店の写真も載っている。ぼくも、「2005年 独断と偏見で選ぶ古本市ベスト5」というコラムを書いている。この冊子のデザインは〈a2g+(books)〉さんが手がけているので、彼女がこれまで出してきた小冊子と同じく、カラーでプリントアウトしたものを二つ折りして、クリップで留めている。


店内には若い男女が静かに本を見ている(その一人が〈ブックピックオーケストラ〉の川上さんで、あとで挨拶された)。そこに、「ふーん、こんな風になってるんだあ」とでかい声で独り言を云いながら、「黒いでっぱり」こと〈書肆アクセス〉の畠中理恵子さんが登場。経堂に住んでいるので、ココで待ち合わせたのだ。場の雰囲気をいっきに畠中テイストの染めて、なごませてくれた。二人で近くの〈太田尻家〉へ。エンテツさんに連れてきてもらって以来、お気に入り。今日も込んでいたが、どうにか座らせてもらう。酒も料理もすばらしく美味しい。最後のパスタも、酒を飲みながら食べるのに最適。しかも、ビックリするほど安かった。畠中さんと二人だけで飲むのって、考えてみると初めてじゃないだろうか。いろいろ話したが、いちばん盛り上がったのが、「狭い店っていやだよねー、(この体型だと)身動きが取れなくって」という話題だったのはヒミツだ。その点でも、十分なスペースを取っている〈太田尻家〉は合格だ。


いい気分で飲んでたら、11時半になった。経堂駅まで戻り、新宿行きの電車に乗り込む。最終、一歩手前だった。新宿から山手線で帰る。ウチに着いたのは1時前。旬公が、仕事机にコタツをセットしたのを見せてもらう。正月に出雲で掘りごたつを体験して以来、こたつに取り憑かれている。ナベツマならぬコタツマだ(ウマイ)。