浅川マキにしびれた夜

9時起き。出勤日ではないが、11時ごろに会社に顔を出す。『ブックカフェものがたり』増刷分の最終チェック。1時半に出て、〈ぶらじる〉でK社のKさんと会う。某新書の企画の打ち合わせ。なんども目次案を練り直していたが、来年にはいよいよ着手する。〈書泉グランデ〉の地下で、入荷したばかりの戸川昌士『やられた! 猟盤日記』(東京キララ社)を見つける。版元が変わりながらも4巻目が出たのはスゴイ。ほかに、『文藝別冊 大瀧詠一』(河出書房新社)、有間しのぶ『レッツ・ゲット・ハップ』(竹書房)、水木しげる『マンガ 水木しげる伝』上巻・戦前編(講談社漫画文庫)を買う。


半蔵門線で大手町乗り換え、銀座に出る。銀行に寄ったあと、松坂屋の古本市へ。今日もヒトが少ないなあ〜。しかし、ウチのブースでは昨日よりはちょっと売れている気がする。担当者不在で売上が判らず、あとでメールしてもらったが、昨日は19,910円だった。大物が売れたのだろうか。持ち直したので、ウレシイ。電話料金を払い忘れて携帯が不通になっていたので、auショップに行って料金を払う。ついでに、自動引き落としの手続きをようやくする。有楽町線で市ヶ谷へ。〈ルノワール〉で、増刷データの受け渡し。来年1月13日頃、増刷が出来上がってくる予定。


新宿に出て、〈ジュンク堂書店〉を覗く。『ブックカフェものがたり』は新刊コーナーの表(目立つところ)と、書店・書評関係の二カ所に面出しされていた。しかもちょっと減っているカンジだ。あと、よるひるプロが発行した『たべるトンちゃん』の隣に一冊だけ棚差しにしてあった。判ってらっしゃるぅ〜。一方、〈紀伊國屋書店〉は文芸書コーナーには姿が見えず、データで検索すると、6階の飲食本コーナーにあった。カフェ本と一緒に置いてあり、これはこれでアリガタイ(でも、書店関係の棚にも1冊でイイから置いてほしい……)。


新宿三丁目の〈世界堂〉で旬公と待ち合わせ、三丁目交差点の博多ラーメン(旬公のお気に入り)でチャーシューメンを食べる。そこから歩いてスグの〈ピットイン〉で、浅川マキのライブを見る。紀伊國屋の裏にあった時期には何度も行ったが、ココに移転してからはなんとなく敷居が高くなり、今日が初めて。ビルの地下にあり、開場までは通路に出してある椅子に座って待つ。ナカに入ると、ステージに向かって椅子が並べられ、どの席にも飲み物を置ける小さなテーブルが設置されている。客の多いライブハウスに行くと、飲み物をずっと手で持っていなければならず疲れるのだが、これは助かる。店内も落ち着いた雰囲気で、30代にはちょうどイイ感じ。


しばらくして電気が暗くなると、浅川マキが一人で出てきて、つぶやくように歌いはじめる。途中から、ドラムのセシル・モンローが8ビートを叩き、それをバックに唄う。さらに渋谷毅が出てきてシンセを弾く。前半はロック調のセッション。休憩後は、渋谷さんとのデュオではじめ、あとでドラムが入る。こちらは4ビートのジャズ調。「センチメンタル・ジャーニー」「聖ジェームス病院」などのスタンダードを日本語で歌う。渋谷さんもセシル・モンローも長くやっているメンバーなので、浅川マキが息を吸っただけで、タイミングをつかんでいる。最後の数曲では、三人が渾然一体となって盛り上がり、しびれた。今日から5日間、ココで連続ライブをやるのだが、明日はまた違った感じになるのだろう。全日聴きたくなってきた。最後の曲が終わるとスッと引っ込み、激しい拍手でのアンコールの要求にも「今日はおしまい」と出てこない。じつにきっぱりしている。「いいものを見たねえ」と云いながら、新宿線で小川町に出てウチに帰る。