古本市搬入のちふちがみとふなと

kawasusu2005-12-21

結局3時間ちょいしか眠れずに、フラフラ。旅行用のでかいトランクをガラガラと引きずって、仕事場へ。2時半まで仕事して、早上がり。トランクを持ってタクシーに乗り、銀座・松坂屋前へ。10分前集合と云ってたにもかかわらず、旬公がまた遅刻。間違えて東京駅で降りたそうだ。裏に回り、外来窓口から7階の古本市会場へ上がる。「銀座ブックバザール」のリーダーであるポラン書房さん、賛助会員(「おみせやさん」というダサい名前が付いている)のまとめ役の北尾トロさんに挨拶。われわれのシマは、北尾トロリコシェトムズボックスなど。右隣がリコシェさんで、左隣が交通資料の交文館さんだ。向かい側はEDI。


ワゴンが与えられると聞いていたのだが、こんなに大きいとは知らず(寸法だけではシロートはなかなかイメージしにくい)、並べてみるとスカスカな感じ。初日に少し売れたら、かなりみっともないコトになるなあ。急いで補充分を用意しよう。日月堂さんと少し話してから、あとは明日にして松本八郎さんと外に出る。3人で喫茶店に行き、雑談。


で、「松坂屋古本フェスタ 銀座ブックバザール」は、明日22日(木)〜28日(水)まで、銀座松坂屋7階催事場で行なわれます。開店は10時半、閉店は7時半(木・金・土は8時)です。詳細はサイト(http://www.bookbazar.jp/)をご覧下さい。ぼくと旬公は「南陀楼綾繁内澤旬子」名義で出店しています。取り扱うのは、古本(比較的最近の和書、チェコなどの洋書)、紙モノ(マッチラベル、パンフレット、貼込帖)、新刊(『ナンダロウアヤシゲな日々』サイン本と『旅先でも本』)、復刻マッチ、端布、CDなどなどです。まさに「売れるモノなら何でも売ります」という姿勢ですので、毎日商品を入れ替えていくツモリですので、たくさんお買い上げ賜りますよう。南陀楼はだいたい一日に一度は補充などのため、会場に行きます。ただし、お客様にはこちらからお声はかけませんので、ご質問などおありでしたら、メガネをかけて「田中小実昌っぽい帽子」をかぶった丸い体型の男(看板のイラストに酷似)までお気軽にどうぞ。


ハチローくん、旬公と別れて、日比谷まで歩き、三田線経由で門前仲町の〈門仲天井ホール〉へ。「ふちがみとふなとカルテット」のライブ。ビルの一番上(8階)にあるので、「天井ホール」なのかな。入ってみると、ライブハウスのようにドリンクを出さず、純粋に音楽を鑑賞するホールだった。そういう会場にあわせてか、最初に渕上さんが出てきて、「今日は休憩ナシでやります」と宣言。今日みたいに一人で来ているときは、2セット制で休憩時間にヒマを持て余すより、1セットでやってくれるほうがアリガタイ。そういえば、昨日、今日は渋谷毅さんのエッセンシャル・エリントンのCD発売記念ライブがあるのだが、同じ日に2つのライブには行けない。残念。


7時過ぎに開始。渕上純子(ボーカル)、船戸博史〈ベース〉、千野秀一(ピアノ)、大熊ワタルクラリネットバリトンサックス)。このメンバーで[博学と無学]というアルバムがあり、ぼくが最初にふちがみとふなとを聴いたのもコレでなのだが、なんか室内楽っぽい感じがしてあまり好きになれなかった。しかし、ライブを聴いて、このカルテットはスゴイと思う。渕上さんの即興に即時にノレる瞬発力、ユーモアと演技力、そして4人の調和が頂点に達したときの迫力……。うまく表現できないけどとてもイイ。とくに、千野秀一はトボけた動作(いつもは船戸さんをイジる渕上さんが、今日は千野さんをイジっていた)なのだが、インプロビゼーションから冗談音楽っぽい演奏まで、いろいろできるヒトだ。ちなみに、千野さんのことは、坂田明の「Wha-ha-ha」などいろんなセッションでおなじみなのだが、本人を見るのは初めてかもしれない。ふちがみとふなとでぼくのいちばん好きな曲「坂をのぼる」と最近好きな曲「ヘブン」を、千野さんのピアノをフィーチャーしてやってくれて、幸せな気分になる。宣言どおり2時間たっぷりやって、9時に終わる。聴きながら、ふちがみとふなとさんに〈古書ほうろう〉でもやってもらえないかなあ、古本屋の店内で「古本屋のうた」が聴けたら最高だなあ、などと勝手に思う。いつか実現したい(って、もちろんほうろうさんがOKならのハナシっすよ)。


大江戸線上野御徒町、JRで御徒町。ウチに帰り、晩飯を食べたあと、松坂屋の補充分の値付けをする。本は30冊、紙モノを10点ぐらいやったら、3時になってしまった。そうだ、今日は『散歩の達人』が届いていたのだった。「本屋さんを遊ぶ!」という特集で、内容は「とり、本屋さんにゆく」(http://d.hatena.ne.jp/tori810/)でスデに紹介されている。不忍ブックストリートでは、ほうろう、オヨヨ、往来堂、ミルクホール、武藤書店が登場。南陀楼と旬公は、なぜか富士見坂で笑っている写真が載ってます。特集以外では、オフノートの神谷さんのインタビューも掲載。


寝不足ついでに、忘れないうちに。古本市に出そうかと、買ったまま積ん読だった、橋爪紳也『飛行機と想像力』(青土社)を取り出し、値段をいくらにしようかとパラパラめくったら、「森永製菓」という文字が目に入った。えっと思い、慌ててそのページを読むと、森永の飛行機セールが池田文痴菴が関わったことに触れられている。しかも、参考文献としてぼくが『sumus』に書いた文章を挙げてくれていた。買ってから2年近くになるのに、ゼンゼン気づかなかったよー。やっぱり本は買ったら、読む前に一通りめくってみるべきだな(なかなか実行できないけど)。橋爪さん、ありがとうございます。グーゼンだが、このあいだ〈calo〉の石川さんに云われて『ブックカフェものがたり』を橋爪さんに献本したら、すぐに丁寧なお葉書をいただいている。こういうのも、ひとつの縁なのかも。