映画は短いほうがイイ

朝8時起き。寒いのでちょっと布団のナカで本を読んでから、起きる。9時20分に出て、今日も阿佐ヶ谷へ。〈ラピュタ阿佐ヶ谷〉でモーニングショーと、そのあとの2回分のチケットを買う。この映画館は整理券制で、満員のときはあとから行くと入れないコトもありうる。「芦川いづみスペシャル」、牛原陽一監督《堂堂たる人生》(1961)。石原裕次郎がおもちゃ会社の企画部員で、すし屋の娘の芦川と協力して、つぶれそうな会社を立て直す……という、まあ、ありがちなハナシ。しかし、こんなベタなストーリーでも、芦川いづみはヒカっている。すねるとカワイイんだなあ。同僚役の長門裕之の、小回りの利く演技も良。


12時に終わり、外に昼飯を食べに行く。〈千章堂書店〉で、村松梢風『現代作家傳』(新潮社、1953)を600円で買う。谷崎、実篤、久米正雄、白鳥、荷風広津和郎吉井勇高浜虚子の8人の評伝。最後に、自伝「梢風物語」が収録されており、自身の出版社「騒人社」についても触れているようだ。ラピュタに戻り、1時10分前に開場。特集「ミステリ劇場へ、ようこそ」。小泉博、越路吹雪ほか出演の《姿なき目撃者》(1955、日高繁明監督)。なんだか眠くなって、前半眠ってしまったので、後半になってストーリーの把握に時間がかかる。ミステリものは寝たらダメだな。ま、たいした謎じゃナカッタけど。三木鶏郎の音楽は、ラテン系なのだがどこかブキミというおもしろいものだった。


そのあと、仁木悦子原作《猫は知っていた》(1958、島耕二監督)。この小説のファンなので期待してみたけど、原作のカラッと明るいカンジをおどろおどろしくしてて、あまりおもしろくなかった。なので、また寝てしまう。映画館の中だとよく眠れるんだなあ。主演の仁木多鶴子は、たしか仁木悦子にちなんだ芸名のハズと、ウチに帰って検索すると、1957年、大映に入社、本名の鶴田和子でデビュー。『猫は知っていた』に主演する際に、原作者の仁木悦子から名前を貰って改名したと、「改名の泉」というサイトの過去ログ(http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Cinema/5784/siryousitu/kaimeinoizumi.html)にあった。


終わったのは4時半。今日観た3本は、96分、89分、86分といずれも1時間半前後に収まっている。コレぐらいの時間だと、集中して観ていられる(といいつつ寝てたけど)。長さを必要とするタイプの作品もたしかにあるけど、映画はなるべく短いほうがイイ。


総武線・山手線で田端に出て、〈ときわ食堂〉でチューハイ。読んでいるのは、黒川博行の長篇『暗礁』。やっぱりこのヒトはウマイなあ。ウチに帰り、晩飯(タラと大根、豆腐の鍋)をつくりながら、テレビでモーガン・フリーマン主演の《スパイダー》(2001、米)を観る。まあまあか。旬公から電話があり、平塚のワークショップは無事終わったが、鎌倉に泊まるとのこと。今日は久しぶりに「休んだ!」という気がする一日だった。でも、これから原稿を書かなければ……。