オレは暗示にかかりやすい

kawasusu2005-11-14

9時半起き。朝飯食べながら、テレビでインフルエンザへの対策についてやっているのを見る。今日は出勤日ではないのだが、仕事場へ。刊行が近づくと、無限にやるコトがあるのだ。昼は、近くのカレー屋のテイクアウトを、会社の女性が買ってきてくれる。全員同じモノを食べたのだが、1時間ぐらいして、一人が気分が悪いと云いだし、もう一人も調子が悪いという。ぼくはナンともなかったのだが、青い顔をしているヒトを見ると、なんだか自分もお腹がおかしいようなカンジになってくる。気分に流されやすい体質というか、暗示にかかりやすいのだった。


4時過ぎに出て、右文書院へ。青柳さんに川崎彰彦本のゲラを渡す。そのあと、白山通りから入ったところにある〈AMULET〉へ。近くのそば屋で堀切さんとよく飲むので、前は通っていたが、入る機会がなかった。あるヒトの文章を読んで2階がカフェになったと知り、ブックカフェ本のリストへの掲載をお願いにきたのだ。入口のところにチェコマッチラベルが、十数枚1セットで売られている。世田谷の〈norinoko〉というショップが扱っているもので、11月21日(月)〜12月3日(土)までは「チェコマッチラベル展覧会」も行われるとのこと。この〈norinoko〉さんが今年(?)に神戸の〈トリトン・カフェ〉で展覧会を行なったときのパンフレット『DESIGN OF CZECH MATCHES』(1050円)や、旅で集めたアイテムのコラージュ集であるles deux『clip trip』(mille books)などを買う。次に来たときには、カフェにも寄ろう。


書肆アクセス〉で「東京者」の棚を見る。新刊コーナー右の棚を全面に使っている。モクローくん人形も鎮座している。青柳さんが選んだ、鬼海弘雄写真集『ぺるそな』(草思社)、堀切さんが選んだ、高田文夫江戸前で笑いたい』(中公文庫)を買う。『ぺるそな』は2003年に出た大判の写真集『PERSONA』の普及版。この本を見かけたのは、閉店直前の大阪〈ブックセラー・アムズ〉だった。このとき、いま〈calo booshop&cafe〉をやっている石川さんに初めて挨拶したのだった。欲しかった本が手頃な値段(2300円)で出たのはアリガタイ。〈田村書店〉の外台で、内田百間阿房列車の車輪の音』(六興出版)を200円で買い、なんとなく調子が悪いような気持ちになって(たぶん気のせいだが)、ウチに帰る。


メールをチェックすると、「文化通信」のニュース速報で、「【訃報】中村勝哉氏 73歳(なかむら・かつや=晶文社代表取締役社長)」とあり、非常に驚く。以前に一度だけお会いしたコトがある。ご病気だったのだろうか? 小野二郎津野海太郎をはじめ、多くのクセモノ編集者にいい仕事をさせ、数々の名著を世に送ってきた名プロデューサーの死を悼む。昨日、晶文社に縁の深い植草甚一の経堂にいたのは、たんなる偶然なのだが。


徳島の〈創世ホール〉から『創世ホール通信』届く。10月30日の紀田順一郎さんの講演の報告。ミステリや幻想文学をめぐる個人史というべき内容だったようだ。同封のチラシによれば、紀田さんの新刊『戦後創世記ミステリ日記』(松籟社)が12月に刊行されるようだ。大伴昌司らとの交流について触れられているようで、コレは楽しみだ。晩飯は、豚肉とタマネギ炒めと、厚揚げ炒め。


そういえば、先日の知恩寺で、ジャン・グルニエ井上究一郎訳『孤島 改訳新版』を3冊500円で買ったコトを書いたが、先週末に「モクローくん通信」の読者であるTさんから、以下のメールが届いていた。

高いことで有名なA書房目録に、改訳新版「孤島」が出ており、
筑摩書房 1991年2月 四六判角背並製 カバ帯
≪「孤島」とは極度に孤独な精神、卑俗なまでに謙譲なある魂が回帰する「至福の島々」である。---人生における特権的瞬間を美しい文章に結晶させた啓示の書。絶版後再刊待望久しかった、アルベール・カミュを文学の道に導いた名著の名訳書改訳新版。---本書はなぜか発売後即時店頭から回収(元版翻訳権者との揉?)された【店頭回収本】≫とあり、売価11,340円(税込)となっていました。
真偽のほどは確かめようがありませんが、割と珍しい本なのではないでしょうか。私自身はネット販売で3380円で購入しました。


気になって、本を見てみると、奥付の前に「本書は、前翻訳権所有者株式会社竹内書店の竹内博氏との話し合いを経て、新たに翻訳権を取得し刊行するものです。(筑摩書房編集部)」とあった。わざわざこんなコトを記載すること自体珍しい、という気がする。やはりナニかあったのだろうか。