朝10時に京都の古本市で、夜11時に大阪の飲み屋だった

kawasusu2005-11-05

朝8時に起きて、前田くんと出かける。北浜で京阪に乗り換え、京都へ。出町柳で降り、10分ほど歩くと、京都大学が見えてくる。まだ10時前だというのに、古本屋の前に棚が出ている。それを横目で眺めつつ、知恩寺に到着。おお、もう開いてるじゃないか。山門を入って、参道の左右にテントが展開している。多くの店は、棚のほかに、均一台を設けている。なぜか3冊500円というのが多いのが、オモシロイ。扉野良人さんから教えてもらった〈赤尾照文堂〉〈キクオ書店〉などを見ていると、山本善行さん登場。そのあと、どの均一台の前にも山本さんの姿あり。〈赤尾照文堂〉の均一は、最初は3冊1000円で、数日後に500円に下げるのだそうで、初日に見つけて隠しておいた本を誰かに買われてしまったと、山本さんは不満げ。「アレ、ぼくの本やったのになあ」と。11時半に集まる約束だったので、最後は駆け足になってしまった。それでも、音に聞く京都の屋外古本市を体験できたので、嬉しかった。


山本さん、前田くん、北村くん、右文書院の青柳さんというメンバーで、〈進々堂〉でカレーセットを食べる。あとから、扉野さんと東京からやってきた〈西秋書店〉の西秋さんも合流。いつものコトながら、山本さんのリアル「古本泣き笑い日記」に抱腹絶倒。そのあと、前田、北村、青柳と近くの〈思文閣〉へ。ココでも古本市をやっているのだ。といっても、量は大したコトがないが、50円、100円、200円、500円と小刻みに均一台があった。


タクシーに乗り、京都市美術館の辺りで降りる。〈山崎書店〉2階の〈京都パラダイス〉で林哲夫さんの展覧会を観る。今回は自分で装丁した本や雑誌と、林さんが選んだ文字の使い方のいい古書を展示している。後者を手にとって、「これ、いくらですか?」と訊く人が多いとか。ぼくも欲しい本あったので、「知恩寺と同じように、最終日に一袋500円のセールをやったらどうですか?」と進言するも容れられず(アタリマエだ)。昨日グーゼンお会いした中嶋さんもいらして、みんなでお茶を飲む。ここの縁台は妙に和む。林さん、青柳さんと、川崎彰彦さんの本の装幀の打ち合わせ。


またタクシーに乗り、八坂神社で下りる。あとで行く店の場所を確認して、河原町の阪急百貨店へ。5階で「古本ソムリエ・山本善行の世界」を見る。一冊ずつ面出しで展示されている。デパートでこのスペースの使い方は、かなりゼイタク。上品なデパートの女店員さんがいらっしゃると思ったら、山本さんの奥様であった。「今度ウチにも遊びに来てください」とおっしゃってくださる。行きます、行きます。


これから大阪の古本屋を回るという青柳さんを、前田くんに案内してもらうことにして別れ、その辺を歩く。売却され、新しい店の建築中の〈丸善〉の前を通る。新京極に出て、〈スタンド〉でビールを飲む。ココで飲む昼酒はたまらなく好き。〈ジュンク堂書店〉を覗いたり、漬物屋で漬物を買ったりして、4時半に〈ミハス・ピトゥー〉へ。1階と地下は雑貨と服。2階がカフェだが、観光客の多い時期の土日は対応できないので閉めているとか。もったいない気もするが、ひとつの見識だろう。


四条から京阪に乗って、大阪へ。買った本を持って、立っているとつらくなってくる。以前は一日中歩いても平気だったのに、さすがにトシかなあ。北浜に着いて、〈アトリエ箱庭〉へ。華雪さんの篆刻教室の最中だった。お茶を飲んでちょっと休ませてもらい、タクシーで北堀江へ。〈ちょうちょぼっこ〉で、青柳・前田と合流。あとから北村くんも。さらに、編集出版組織体アセテートの中谷さんと北浦さんも。


ちょうちょの福島さんと真治さんの案内で、歩いて10分ほどのトコロにある、〈大坪商店〉(だったかな?)という飲み屋の座敷に落ち着く。あとから、箱庭の幸田さんと、京都で〈café de poche〉という本のイベントをやっている女性(お名前失念)、caloの石川さん、ちょうちょの次田さんが来て、総勢12人になった。女性率高し。ふだんのぼくは、大人数の飲み会は苦手なのだが、関西に来るとこの機会にと、いろんなヒトに声をかけてしまう。勝手なモノなり。ハナシはあっちこっちに行ったが、これからぼくがやりたいコトのヒントをもらったような気がする。


11時半頃に解散。この時点で終電がけっこうヤバイ。梅田のホテルに泊まる青柳さんをなんば駅に送るが、えらく遠くて、荷物が重く、途中ではぐれてしまう。携帯で連絡とって前田くんと落ち合い、阪急で鶴橋まで行き、そこからタクシーに乗る。前田家には1時着。楽しかったけど、疲れた。もう38歳なのだから、旅先での予定は1日3ヵ所まで、会うヒトは1日3人まで、としたいのだが、きっと守れないだろうなあ。

*写真は知恩寺前で。左から前田くん、山本さん、青柳さん、南陀楼。撮影は「エエジャナイカ」北村くん。