朝6時に大阪で、夜10時は神戸だった

kawasusu2005-11-04

昨夜は8時半にウチを出て、山手線に乗る。旅先で再読しようと持ってきた、小林信彦『1960年代日記』(ちくま文庫)を開くとたちまち引き込まれ、新宿で降りるハズが、間違えて高田馬場で降りてしまう。新宿に着いて、急いで西口の地下通路を歩く。都庁の駐車場が見えてこずに焦るが、出発15分前にはなんとか到着。ずーっと前に、だだっ広い駐車場の近くの大衆食堂でバスの出発を待っていたら、置いていかれて焦る、という夢を見たコトがあるが、この駐車場の広さと殺風景に似てる。ココを出発して、ディズニーランドに回り、それから京都に向かう。


バスは1席ずつ独立ではなく、二人掛けで隣はおじさん。足を伸ばす空間も少ない。前の座席が後ろに倒してくると、膝が押し付けられてくる。5000円だからしょうがないが。しかも、後ろに大学生らしい男女のグループがいて、出発前から大騒ぎしている。いやな予感がしたが、こいつら、消灯後、1時近くなっても喋っていた。小型のラジオを聴くが、バスのナカでは雑音が入って、聴き取れない。それでもいつの間にか眠ったらしく、眼が覚めたら大阪だった。


終点のなんばには6時到着。地下鉄で今里へ。いつも世話になる、「大阪のチン」こと前田和彦くんの家へ。まだ6時半で非常識なのだが、時間のつぶしようもなく、電話して家に入れてもらう。1時間ほどヨコになって休み、前田くんと出かける。天神橋筋六丁目で降りて、商店街をブラブラ。〈プランタン〉という喫茶店に入ったり、〈天五古書店〉を覗く。そのあと、〈いとへん〉へ。ギャラリー+カフェ+ブックショップという形態。〈古本喫茶 伽羅〉も近いですよ、とAさんが云うので、場所を聞いて行ってみるが、さんざん探しても見つからず。店に電話して場所を聞き、さらに歩いていて偶然お会いした中嶋大介さん(8月のcaloでのトークショーにいらした方)にも教えてもらって、たどり着く。小さいけど、いい本を置いている。奥に喫茶スペースあり。


ココから阪急で神戸方面へ。西宮北口で降り、うどん屋に入る。関西に来ると、1回はうどんが食べたくなる。絵本を置いているカフェ〈SHIOSAI〉で、コーヒー。喫茶コーナーと食事コーナーで入口が別の広い店。あとで、ちょうちょぼっこの次田さんに、「あそこのパスタ食べなかったんですか。美味しいのに……」と云われるが、あのときは、うどんが食べたかったのだった。また阪急に乗り、夙川で降り、川のほとりの遊歩道をちんたら下り、西宮市大谷記念美術館(http://www9.ocn.ne.jp/~otanimus/)へ。「今竹七郎大百科展」を見る。「オーバンド」などの商品パッケージや企業ロゴを手がけたデザイナーの回顧展。戦前の新聞広告や、戦後のキャバレー広告がおもしろかった。また、金持ちで多趣味なヒトだったらしくミニチュア機関車やレコード、カメラなどのコレクションも展示されていた。2フロアをたっぷりと使った、贅沢な展示のやりかただった。しかし、このヒト、出版関係の仕事はホトンドしてないんですね。本好きが展覧会に行くときは、雑誌や単行本を見るのが楽しみなのだが、学生時代の同人誌以外に本の類がなかったのは、ちょっと残念。


また夙川に戻り、六甲で降りる。「エエジャナイカ」北村くんのお気に入りの〈口笛文庫〉に初めて行く。「ジャズと古本」だっけ、「古本とジャズ」だっけ、看板に書かれている。本はサブカルチャーから哲学、文学まで多岐にわたる。大きな店ではないが、中央に棚でなく、低い台を置いているせいか、広く感じた。ジャズの中古CDほか、「澤野工房」制作のジャズCDも扱っている。〈古書ほうろう〉をギュッと縮めたみたいで、ぼく好みの店だった。店を出ると、辺りは暗くなっている。さらに下り、〈宇仁菅書店〉も見る。


JR六甲道から元町へ。〈ちんき堂〉で戸川昌士さんに挨拶。飲み会に誘う。南京街の裏に入り、小さな服屋、雑貨屋が並ぶ一角のビルの4階にある〈vivo,va bookstore〉に初めて行く。狭いスペースに直販の単行本、雑誌がたくさん。古本も置いている。店長のMさんに挨拶すると、「『チェコマッチラベル』、売れましたよ」と云ってくれる。Caloから復刻マッチも仕入れている。〈海文堂書店〉に行き、福岡さんに会う。そのあと、いつもの〈松屋〉3階で、海文堂の皆様、戸川さん、〈烏本舗〉の川辺さんたちと飲み会。前から聞きたかった、古本屋になる前の戸川さんの経歴を教えてもらい、一同驚愕。とてもビックリ。


10時過ぎまで飲み、ぼくと前田くんは先に失礼する。JRで大阪に出て、環状線に乗り換え、玉造で下りる。そこから20分ほど歩いて、12時前に前田家に帰着。風呂に入らせてもらい、メールだけチェックして、すぐ眠る。以上、買った本については、改めて書きます。

*写真は〈古本喫茶 伽羅〉の均一台。