ホリキリVS地蔵、120分一本勝負!

朝8時半起き。「Web読書手帖」(http://yotsuya.exblog.jp/)で、ちくま文庫の復刊ラインナップが発表になったコトを知る。種村季弘編『東京百話』全3巻が入っているのがウレシイ。かなり以前に品切れになっており、需要があったはずなのに重版しなかったので、アンソロジーだとなかなか難しいのかな、と勝手に思っていた。しかし、その思い込みが吹き飛ばされた。ワタシは学生時代に買って持ってますけど、もう一セット買うつもりです。今回の復刊アンケートはたんなるお遊びじゃないし、営業的にうまく行けば次につながる可能性もあるのだから、自分が投票した本は買うようにしてほしいと思う。


古本屋のコトを検索していて、おもしろいブログを発見。「旧書店日記」(http://blog.yam.com/lico0716/)というもので、台湾のヒトが日本に来て回った古本屋について、文章と写真でつづっている。もちろん中国語なので意味はワカランが、〈音羽館〉〈コクテイル〉〈FLYING BOOKS〉〈ビブリオ〉〈ロス・パペロテス〉……などのなじみぶかい店名が並ぶ。早稲田青空古本市や、札幌・小樽の古本屋まで回ってるよ、このヒト。


じつは、一月ほど前に〈古書ほうろう〉の神原さんから、台湾の女性が店にやってきて、筆談でいろいろ質問して帰っていったと聞いた。そのとき、ぼくの名前を出したそうなので、ははあ、傅月庵(フ・ユエアン)さんの知り合いだな、と思ったのだった。このブログの「東京古本屋」というカテゴリで、〈古書ほうろう〉の項目を見ると、何度も「南陀楼先生」という表記が出てくるので笑える。ま、「先生」というのは「氏」ぐらいのニュアンスだろうが。今度、『彷書月刊』でこのブログを取材したいが、言葉の壁がなあ。誰か中国語のメールを書ける人、いませんか(些少ですがバイト料はお支払いします)。それよりは、このブログにみんなでトラックバックを送れば、向こうで気づいて連絡してくれるかも、と他力本願。


このあと、手書き原稿にアカを入れていたら、昼になる。ベーコンとアサリのパスタ(フィトチーニ)をつくり、《噂の東京マガジン》を見ながら食べる。2時半に出て、旬公と神保町へ。〈書肆アクセス〉に旬公を置いて、古本のワゴンを回る。あちこちで買ったのは、涌井昭治『東京新誌』(朝日新聞社)500円、『金子光晴文学的断想』(冬樹社)400円、関根弘機械的散策』(土曜美術社)300円、紀田順一郎編『書物愛[日本篇]』(晶文社)1000円。あと、演劇出版社のワゴンで、濱本高明『浅草風俗二十帖』を200円で。岩波ブックセンター裏のテーブルで一休みしていたら、隣に座っていた若い男の二人組が「坂口安吾って死んだっけ?」「さあ〜?」という会話を交わしていた。


4時に古書会館。「テクストの祝祭日」2日目。堀切直人さんと鈴木地蔵さんの「私たちの神保町」というトークセッション。開演10分前に着いたのだが、お客さんが少ない。急遽決まった企画なので、告知が行きとどかなかったのか。10分遅れでスタートするが、15人ほどしか集まらず。もっとも、聴衆の多寡を気にするような二人ではないので、お互いの神保町体験から入り、出版界の裏の裏まで知り尽くした地蔵さんの「地べたからみた神保町論」が展開される。ぼくは、先月の「BOOKMANの会」で多少聞いていたのだが、ほかの人にはびっくりするハナシが多かったのでは。心配(期待?)された堀切さんの暴走だが、今日は司会役に徹していて大人しい。もうちょっと暴れてくれてもヨカッタか。終わりごろ、急にぼくが指名され、しどろもどろで話す。そのあと、地蔵さんが暴走モードに入ったあたりで時間切れ、終了。


撤収のあと、〈さくら水産〉で打ち上げ。堀切さん、地蔵さん、青柳さん、旬公とぼく。ココでも地蔵さんの舌鋒は鋭く、あいまいな答えを返すわけにもいかず、たじたじする。10時すぎに解散。ウチに帰ると11時だった。