売上は好調?

kawasusu2005-10-09

朝8時半起き。今日は古本の買取があるので、売る本を奥から出す。しかし、今年だけでも3、4回売っていて、「不要な本」から「持っていても読まない本」レベルまでは、完全に処分し終わり、すでに「いつか読むツモリの本」まで処分しはじめている。そのため、どうしても処分できる冊数は少なくなる。


1時に、セドロー牛イチローのコンビが来宅。とりあえず出しておいた数十冊を、セドローくんが仕分けることになり、牛イチローの運転で谷中のアパートへ。「一部屋古本市」の残りの本を縛り、それ以外に段ボール箱5箱を車に積み込む。ウチに帰り、ベランダの倉庫に段ボール箱を移す。室内では二人がせっせと本を仕分け、縛っていく。しばらくして査定が終わり、4万2千円いただく。冊数は100冊以内だったと思うが、最近の本が多いせいで、意外といい金額だった。今月は〈NOMAD〉の展覧会、〈古書ほうろう〉と〈上々堂〉での「古書モクロー」、「一部屋古本市」、そして今日の買取と、古本販売での収入が多かった。「これを繰り返したら生活できるかな」と云うと、すかさず牛イチローに「そのうち利益はいくらなんですか?」と訊かれる。そりゃ、そうだ。買うときには、この数倍の支出があったんだから……。


二人を送り出したあと、自転車で日暮里駅へ。改札で大阪からやってきた貴島公さんと待ち合わせ、近くの甘味処へ。今日、明日とライブを見るそうだ。お土産に、大阪のカフェ〈チャルカ〉が出した『チャルカの東欧雑貨買いつけ旅日記』(産業編集センター)と、ふちがみとふなとの初期のテープからのCDを頂戴する。谷中のアパートに泊まってもらうことになっているので、鍵を渡し、近くまで送って別れる。そのあと、旬公と大円寺の菊まつりへ。雨上がりで菊が綺麗に見える。谷根千工房の出店で、菊の花を入れた酒を飲む。そのあと、〈往来堂書店〉で伊藤理佐『やっちまったよ、一戸建て!!』第2巻(文春文庫)を買う。「不忍ブックストリートが選んだ50冊」は、すでに一度完売して再入荷した本もあり、まだ動きの見えない本もある。〈古書ほうろう〉の宮地さんが選んだ3冊はまだ売れてないそうで、山崎さんが「彼のいる前ではブックフェアの売上のハナシはできないんです」と云っていた。そこまでヘコまんでも。とくに、いましろたかし『釣れんボーイ』が売れないのが悲しいらしく、サイト(http://www.yanesen.net/diary/horo/)で大プッシュしている。この本はぼくも大好きなので、売れてほしい。え? 南陀楼が選んだ本の売上ですか? まァ、5点とも1〜2冊ずつは売れているようですね。『バスにのって』と『東京裏路地〈懐〉食紀行』は、ぼくとしては「鉄板」のセレクションのつもり。


アマゾンから、[高田渡「ごあいさつ」]トリビュートと、久世番子暴れん坊本屋さん』第1巻(新書館)が届く。後者は、いくつかのブログで紹介されていて興味を持ったマンガ。新刊書店(たぶん大手チェーンの支店)の店員として働く著者のエッセイマンガ。抱腹絶倒ってほどオモシロイわけじゃないけど、書店業界でしか使われない言葉や慣習がフツーに出てくるのは珍しい。「売れる本と売りたい本は別物」として、ボーイズラブ担当の女店員が、自分の趣味(王子様好き)よりも売れ線(マッチョや鬼畜系)を優先したら、客から「店員の趣味なんじゃない?」と云われて傷つく、というのがイカニモありがちで、笑った。


晩飯は昨日のカレーの残り。NHKアーカイブスで、山田太一脚本《男たちの旅路》を観る。今回は1977年放映の「シルバーシート」で、志村喬笠智衆加藤嘉殿山泰司藤原釜足という超豪華な老け役たちが登場。志村喬が死んで、残りの4人が都電荒川線の車両をジャックする。クライマックスは、鶴田浩二が乗り込んでのいつもの説教。しかし、さすが老人。云うだけ云わせといて、「結局は理屈だ」「20年経てば判る」で切り返す。最後に判りやすいオチをつけないところがよかった。