タイミングがいいわねェ

朝8時半起き。今日は出勤日。朝から一日中、雨だ。いま準備している本のことで、原稿をチェックしたり、メールしたり。やるコトがたくさんあって、時間がもったいない。昼は近所の〈ふくのや〉(だったっけ?)という洋食屋へ。メンチカツライスというのを頼んだが、料理とライスが出てきたあとも味噌汁が出てくる気配がない。ほかのヒトはみんな味噌汁があるのに忘れたのかなあ、声をかけようかなあと、小心者なので逡巡していたら、次に入ってきた人が「チキンカツライス、味噌汁ね」と注文するので、やっとワカッタ。この店は味噌汁だけ単品注文のシステムなのだった。料理とライス、味噌汁がそれぞれ別注文という店はよくあるが、料理とライスだけがセットという店はちょっと珍しい。ちなみに、メンチカツライス(690円)はけっこう美味しかったです。次来るときは味噌汁(50円)も頼もう。


4時に市ヶ谷へ。6月末まで、ココに通っていたのだが、8月にシャープのサービスセンターに来ただけで、あとはまったく来ていない。外堀通りマクドナルドとルノアールの間の坂を上る。以前は仕事のピークのときなど、この坂を上がるとプレッシャーで吐き気がした(いや、じっさいに何度も吐いたコトがある)ものだが、この場所と無関係になったいまでは、すっかり気楽である。現金なものだ。元の「本とコンピュータ」編集室に寄り、数人に挨拶。そのあと、デザイナーのKさんと打ち合わせ。


仕事場に戻り、いろいろ片付けて、営業のHさんと出かける。歩いて晶文社まで行き、営業部の部屋で高橋千代さんに会って、書籍営業についてイロイロ教えてもらう。たいへん勉強になった。千代さんは、「南陀楼さん、いいところに来たわねえ」と、一冊の本を渡してくれる。高橋徹月の輪書林それから』(2200円)だ。おお、ついに出たか! 南伸坊さんの装幀は、前作『古本屋 月の輪書林』のカンジを踏襲しながら、よりディープな本であることを明確にしたデザインだ。内容については、読み終わるまでは書くまい。とりあえず、前半は李奉昌、後半は三田平凡寺についての日記である。12日に取次搬入とのこと。


9時前に秋葉原の〈赤津加〉へ。この店、何年ぶりだろう。電気街のど真ん中に、明治の東京みたいな居酒屋が現役でいることは不思議。しかも、値段も安い。千代さんは下戸だが、少しアルコールが入ると、とたんにクレイジーケンバンドのハナシに没入しはじめる。海外旅行に行く前に、ライブのチケット発売日が旅行中に当たることを知り、海外でつながる携帯を入手、ギリシャロードス島で、チケットを取るために夜中に東京にひたすら電話を掛けつづけたという。しかも、携帯を借りるとき、「リダイヤル機能があるかを確認した」というのが、このハナシの肝だ。たまたまHさんもかなりのCKBファンであり、さっそく11月のライブに誘われていた。別れて、ウチに帰ると11時。


大阪の〈アトリエ箱庭〉の幸田和子さんが、箱庭が発行する『dioramarquis(ジオラマーキス)』という雑誌の創刊号を送ってくださる。じつは、昨日〈書肆アクセス〉に届いているのを見て、幸田さんに電話したら、「あ、南陀楼さん、ちょうど今日発送するトコロだったんですう」と。表紙の文字使いと配置を見れば、デザイナーは羽良多平吉さんだとすぐ判る。本文のレイアウトも羽良多さん。28ページの小冊子だが、誌面の隅々まで行き届いたデザインだ。執筆は、華雪、空中線書局、小野原教子、戸田勝久、野崎泉(フリーペーパー『gris-gris』)、田中栞森元暢之ほかの諸氏。版画家・山下陽子さんの手になるカードが同封されている。700円。書肆アクセスでも扱うらしいです。