セド母になごむ

朝8時半起き。朝飯のあと、昨夜途中まで観ていた《ナイトメア・ビフォア・クリスマス》(1993、米)を最後まで。ティム・バートン原案・製作、ヘンリー・セリック監督。いやあ、オモシロかった。ブキミでコミカルなキャラクターたち。ただ、ビデオに同時収録されている《フランケンウィニー》という短篇は、イマイチ。アメリカ人の死生観はよくワカランなあ。午前中は家で細かい仕事をいくつか。取材のことや、単行本の企画についてメールや電話でやり取り。昼はぶっかけうどん


2時過ぎに出て、〈古書ほうろう〉へ。委託で置いてもらっていた本・グッズ(古本を除く)の精算。4万円ちょっと戴く。昨年夏の「モクローくん大感謝祭」より後の約一年間の売上だと思う。目の前のバス停からバスに乗り、早稲田へ。初日に続き、穴八幡の青空古本市を見る。今日はさすがにヒトが少なくて、ゆっくり見られる。階段下で、安藤鶴夫『巷談本牧亭』(旺文社文庫)100円、本会場で、森山啓『谷間の女たち』(新潮社)350円、中谷孝雄『招魂の賦』(講談社)350円、『風紋25年』(私家版)420円、田辺茂一『穀つぶし余話』(言叢社)500円、秋山清『壺中の歌 わたしの群書群像』(仮面社)500円、小針美男『東京文学画帖』(創林社)。『招魂の賦』は講談社文芸文庫版を図書館で借りて読んだが、単行本には文庫に入ってない短篇がある。『風紋25年』は先日アクセスで『風紋30年』を買っているけど内容は違う。『壺中の歌』には、「日記について 『木佐木日記』を読む」という文章がある。コレは拾い物。


セドローくんに声をかけると、お茶に誘われる。アキヒロくんと3人で〈シャノアール〉へ。2人はキウイジュース。「コレを飲まないと青空という気がしない」とヘンなこと云っている。しかも今日2杯目だとか。この二人が揃うと、賑やかな笑い声の二重奏になるので、こちらもテンションが高くないと置いていかれる。で、こないだの「サンパン」の会合についてとか、あれこれと。セドローくんに話すのを忘れたが、あの会合のときに、「サンパン」に古書目録を載せたり、探求書欄を設けてたりして収入を図ってはという意見もあったのだった。だけど、「各自が本をまとめてEDIに送って」とか云ってて、じゃあ誰が目録つくって校正するんですかとツッコンでしまった。あと、アキヒロくんが「今回は目録にいい本出したのに、南陀楼さんからの注文なかったですね」と云うので、「最近あまり目録で買わないようにしてるんだよ。だって、買うよりも売ることばっかり考えてるんだから」と「一部屋古本市」などのコトを話すと、「ナニやってんですか!」と笑われてしまう。セドローくんは「入口の殴り書きの貼り紙が怪しかったですよね。オレなら帰りますよ」と。「旅猫雑貨店 路地裏縁側日記」(http://tabineko.seesaa.net/article/7110743.html)に写真が載ってたとのこと。金子さん、すいません、まだ見てませんでした……。


会場に戻る二人と別れて、古本屋街の方へ。青空古本祭の会場でもらったサービス券を提示すると、会期中は1割引になる。〈メープルブックス〉で、河盛好蔵『文学空談』(文芸春秋新社)300円、〈飯島書店〉で、虫明亜呂無『野を駈ける光』(ちくま文庫)350円、〈古書現世〉で、佐多稲子『夏の栞 中野重治をおくる』(新潮文庫)150円、〈さとし書房〉で、『長谷川伸全集第11巻 股旅の跡』(朝日新聞社)1000円。以上、すべて1割引。現世ではセドローくんのお母さんが店番されている。コロコロとよく笑う明るいヒトだ。顔を見ると、なんとなくいつもなごむ。友達からもらったというお菓子をいただく。さとし書房では、お孫さんらしき女の子が紙を切って蝶々をつくる工作に、店主がつき合わされている。帳場に本を出すと、店主が袋に入れたあと、女の子にセロテープを止めさせている。「これでも役に立つんですよ」とニコニコ。こういうの、イイよねえ。


「早稲田古本村通信」の取材で、これから上野公園行きのバスに乗るツモリだったが、携帯に旬公から留守電が。「鍵も携帯もウチに置いてきてしまって、入れません。〈ルノアール〉で待ってます」だと。しかたないので、高田馬場まで歩き、山手線で帰ってくる。〈ルノアール〉に寄って、旬公にコーヒーをおごらせてから帰宅。晩飯はサンマの焼いたの。食べ終わってから、自転車で〈往来堂書店〉に行き、フェアの様子を観察。〈NOMAD〉と〈古書ほうろう〉に納品書や精算書を置いてくる。


札幌の〈さっぽろ萌黄書店〉(http://www.d2.dion.ne.jp/~moegi/)の坂口さんが、『札幌人』秋号(札幌グラフコミュニケーションズ)を送ってくださる。特集は「さっぽろ古書店散歩」。札幌の古書店10店へのインタビュー、札幌出身の唐沢俊一さんの談話、『山口瞳通信』の中野朗さん、小樽文学館玉川薫さんらのエッセイ、古書店地図、古書用語など。ページ数は少ないが、コンパクトにまとまったいい特集で、今後札幌に行く機会があれば必携だろう。坂口さんや、〈古書須雅屋〉(http://d.hatena.ne.jp/nekomatagi/)の須賀さんのご尊顔をはじめて見る。この雑誌、レイアウトはいまいちで、マチガイがあったのか目次ページを貼り込みで訂正している。取材からレイアウトまで一人でやっているようだから仕方ないだろう。だけど、これまでに博物館、市電、公園、銭湯、自転車などを特集している。〈書肆アクセス〉にも置いてほしい。