ハトが出ますよ

8時半起き。10時前に自転車で出かける。久しぶりに、三ノ輪まで足を伸ばすと、根岸図書館の隣に建築中だった大きなスーパーが開店していた。南千住図書館へ行き、閲覧席で原稿を読む。鼻をグズグズ云わせていたら、隣でパソコンを打っていたおじさんが、「鼻をかまれたらいかがですか?」と、ポケットティッシュをこちらに滑らせてくれる。いや、ぼく鼻が悪いんで、この程度はいつものコトなんですが……と思ったが、ジェントルな申し出にありがたくティッシュを一枚抜いて鼻をかむ。原稿読みは、書誌的な事項を確認しながらなので、3時間ぐらい掛かった。一段落したので、自転車に乗って帰る。荒川区役所前の〈ハルピン〉で、半チャーハン・ラーメンを食べる。


ウチに帰ると、『ぐるり』10・11月号が届いていた。今号から情報欄をエリア別ではなく、日付け別の構成に変えたようだ。この方が使いやすいと思う。巻頭インタビューは金子マリ。エッセイは桂牧さん。新アルバム[BGS]がCD-ROMで10月15日リリースとのこと。ぼくの連載「ふたたびの音」は矢口博康。ほかのミュージシャンを考えていたのだが、予定していたライブに行くコトができなかったため、今回はちょうど復刻CD([観光地楽団]とオムニバス[陽気な若き水族館員たち])の出たところで、矢口さんについて書いた。サイトでの直販で購入した2003年の目下の最新作[さよならtoday]はかなりヨカッタ。あとは名作[GASTRONOMIC]がもう一度聴きたいなあ(テープしか持ってないのです)。


領収書や納品書を何枚か持って、根津の〈NOMAD〉へ。「チェコマッチラベル展」の販売物の精算。会期前から終了までの売上合計は20万円近く。みなさん、お買い上げありがとうございました。内訳を書くと、単行本『チェコマッチラベル』(ピエ・ブックス)は41冊、復刻マッチのセットが40、マッチのバラが127個、チェコの古本が11冊、それに内澤旬子『旅先でも本』が21冊でした。単行本および復刻マッチは、引き続きNOMADで販売していますので、よろしければどうぞ。なお、マッチは〈古書ほうろう〉にも置いてあります。バラのマッチは、品切れ間近のモノもありますので、お早めに……。NOMADでは現在、大庭明子さんの木版画展を開催中(10月4日まで)。木版画の色使いがなかなかイイので、絵葉書を2枚購入した。


本駒込図書館へ。先日、文京区立図書館のサイト上から「IT図書館」(メールで予約などができる)の登録をしようとしたところ、「すでに利用申し込みされています」との表示が出て、その先に進めなかった。台東区荒川区の図書館では同種のサービスに登録しているが、文京区ではまだやった覚えがないので、メールで問い合わせると、「パスワードが入力されている」との返事だった。その変更はカウンターでしかできないというので、ココで聞いてみた。最初は、「登録されてないのにパスワードが入っているコトなどありえない」と笑われてしまったが、もう一度、画面上で登録したら、やっぱり申し込み済みになっている。担当の男性はあわてて真砂図書館(IT図書館の管轄はココらしい)に電話して聞いている。すると、やっぱりパスワードが入っているらしい。だ・か・ら、そう云ったじゃないですか! メールアドレスが登録されていないので、そのパスワードはぼくが入力したモノではあり得ない。しばらくしてワカッタのは、借りた本の延滞で督促したヒトには、個人情報にパスワードを入力することになっているらしい。そのパスワードは用が済めば削除する(? この辺の説明がよく判らなかった)ハズだが、なんらかの手違いで残ってしまったというのだ。たしかに、文京区の図書館で借りた本を何度か延滞し、督促されたことはある。お手間を取らせてしまって申し訳ないとは思う。でも、いくら必要だからといって、ぼくがぼくだけのために使用すべき「IT図書館」のパスワード欄を勝手に使われていたコトは、あまり気持ちのいいものではない。


ときわ食堂〉でチューハイを飲み、ウチに帰ってちょっと眠る。晩飯は、鶏肉と野菜のスープ。寒くなってきたので、こういうのは温まる。ビデオで、ジョン・ウー監督《ペイチェック 消された記憶》(2003、米)を観る。フィリップ・K ・ディック原作。未来を知ったあとで記憶を消された男が、20のアイテムを手がかりに謎に迫っていくのが、お伽噺みたいで楽しい。ユマ・サーマンが、不思議な色気と乱暴なアクションを併せ持っているのがイイ。遅まきながらファンになりました。あと、ジョン・ウーといえば、かならずドコかにハトが出てくるので有名だが、この映画でもクライマックスのいちばん緊迫するシーンに出てきた。それがけっこうマヌケな出方なので、笑えた。緊張と緩和、ってヤツか?