イロイロあったし、イロイロ会った

kawasusu2005-08-31

朝8時半起き。旅行中の日記を書き、風呂に入ると、出かける時間。ポストに、中国人の于前さんからの郵便物が。すっかり忘れていたが、しばらく前に「一箱古本市」について取材を受けた記事を送ってきたのだ。「中国時報」2005年7月24日の週末版(読書欄)で、「青空下的一箱旧書市」が見出し。旧書は古本という意味。記事はほぼ全面にわたっていて、写真はカラー。〈古書ほうろう〉で撮影したぼくのアップと、しのばずくんの粘土人形、そして「不忍ブックストリートMAP」の一部を拡大したものが載っている。中国語が読めないので、漢字から推測するしかないが、一箱古本市のコンセプトや経過をかなり詳しく紹介しているようだ。記事の末尾には、「台湾のモクローくん」こと傅月庵(フ・ユエアン)さんが「旧書界聞人:南陀楼綾繁」(なぜかココだけ「綾」が「陵」になっている)というタイトルで、ぼくのプロフィールを紹介してくれている。「書与電脳」は「本とコンピュータ」、「Mokurokun通信」は……判りますね。できれば記事全文の日本語訳を、不忍ブックストリートのサイトに載せたい。中国語に堪能な方のご協力を求めます。【フ・ユエアンさんのお名前を、これまで「傳月庵」と表記してきましたが、岡島昭浩さんから、「傅月庵」(人偏に「博」のつくり)が正しいとのご指摘をいただきました。以前、漢和辞典で確認したことがあるのですが、「傅」が文字コードにあることに気づかず、「傳」を使っておりました。今後は気をつけます。漢字は難しいですね。9月2日訂正】


千代田線で新御茶ノ水へ。神保町にはホント久しぶり。〈書肆アクセス〉で岡崎武志さんのフェアを見る。新刊用の平台を前のほうに拡張して使っていて、イイ感じ。そのナカから、西日本新聞文化部編『昭和の尋ね人 アウトサイダー列伝』(不知火出版)を買う。あと、『大阪人』10月号(特集「モダン・ガールの時代」)も購入。畠中さんに、買ったけど一度も使ってないというICレコーダーをプレゼントされる。いいのか、こんな高価なモノ。岡崎さんが来て、一緒に店を出ようとしたら、某社から携帯に電話。ビックリするハナシを聞かされた。


岡崎さんの「温かいものが食べたい」というリクエストで、そば屋へ。2階の座敷に落ち着く。食べ終わったあと、「ココで打ち合わせでもいいよ」と岡崎さん。でも、昼時で混んでくるだろうからと、喫茶店に誘う。あとで知ったが、このとき、岡崎さんはすでに体調が悪かったのだ。それに気づかず、〈ぶらじる〉に入り、ある企画について相談しはじめる。すると、しばらくしてすごく調子悪そうになり、トイレに駆け込む。出てきたら少し気分がよくなったようで、一安心。具合が悪いことにもっと早く気づくべきだった。数人の連絡先を聞いて、打ち合わせを切り上げ、店を出たトコロで別れる。そのあと、『サンデー毎日』で仕事されたようだ。岡崎さんの日記をみると、それでも田村の無料BOXには寄っていたようで、さすがである(でも、あんまりムリしないでください)。


夕方の打ち合わせまで時間があるので、さてどうしようかと、〈文省堂書店〉の壁面の均一棚を眺めていると、古書通信の樽見さんに声をかけられる。青木正美さんの本、売れ行き好調で増刷が決まったそうだ。そのあとも樽見さんはずっと熱心に均一を見ていた。〈ぶらじる〉に入る前には、青柳さんの姿も見かけたし、昼休みになると、この辺りはとたんに知り合い率が高くなる。〈田村書店〉の百円均一で、宮武外骨の雑誌『ハート』の復刻版(『広告批評』の別冊附録)が2部あったので、買っておく。あと、栗原澪子『黄金の砂の舞い 嵯峨さんに聞く』(七月堂)が200円。この本、詩学社の嵯峨信之=『文藝春秋』初期の編集者・大草実の聞き書きなのだが、ヘンに凝ったタイトルが災いしてか、あまり知られていない。『モダン日本』創刊時のコトとか、読みどころ満載なのになァ。両者とも近日中に「古書モクロー」で並べます。


書泉グランデ〉に入り、角川春樹『わが闘争』(イースト・プレス)を買う。作品社から『国枝史郎探偵小説全集』というのが出ていたが、4800円なので今日は見送る。と、紀田順一郎さんの姿が見える。今日はじつによく知り合いに会う日だ。「お茶でもどう?」と誘われ、〈古瀬戸喫茶店〉へ。今年秋に発表になるゲスナー賞のこと、10月の徳島での講演会のこと、そして大伴昌司のことなど、興味深い話をたっぷりとうかがう。誰に対してもハナシの出し惜しみをしない方である。


2時半、半蔵門線に乗って渋谷へ。山手線で恵比寿へ。恵比寿に来ると、駅前の〈戸川書店〉ビルの垂れ幕(半紙に習字でメッセージが書かれている)を観察するのが、習慣になっている。今日は「エイズ癩拉致道路外交/一つと解決できていない/〒だけがなぜできる」という三行。「〒」は郵政改革の意味だろうか。みくに出版に行き、Iさんと『進学レーダー』の打ち合わせ。来月から本を紹介する連載を持つコトになった。


恵比寿から日比谷線茅場町東西線に乗り換えて竹橋へ。錦町のあたりを歩いていて、〈JIRO’S CAFE〉という店を発見。犬のマークの看板が気に入って、入ってみる。ナカも落ち着いた造りで、コレはいいと思う。水を持ってきたマスターが「ブレンドでいいですか?」と訊くが、さっきコーヒー飲んだばかりなので、「ミルクティー」と云うと、一瞬黙って「特別につくります」と云う。あ、コレはコーヒー一筋の店だなと思い、ブレンドでいいですと答える。あとから入った客は、サントスを頼んで、それにミルクを入れるというので、マスターに「そんないいコーヒーにミルクを入れるなんて」とイヤミを云われていた。たしかにブレンドは美味しいのだが、いちいちウルサイぜ。マスターは常連客に向かって、しきりに世相を慨嘆していて、これもうるさい。店はいいけど、ヒトがねえ……。


今週から通うコトになっているG社へ。編集のTさんと契約について話したり、資料をコピーしたりしていると、オーナーのHさんが登場。すぐに出せそうな本の企画を話すと、その場で「やってみよう」というコトになる。もう一本の企画についても、進めることになる。7時過ぎ、社員全員で駿河台下のうなぎ屋へ。うな重をご馳走になる。ウチに帰ったのは10時過ぎ。そのあと、連絡メールをいろいろ書いていたら、1時になってしまった。今日はイロイロあったし、イロイロなヒトに会った。なかなか活動的な一日だったと云えるでしょう。