電車のナカでは読書がはかどる

朝7時半起き。8時過ぎに前田家を出る。今回もお世話になりました。なんばで御堂筋線に乗り換える。ちょうどラッシュの時間で、荷物を持っているのがツラかった。朝飯は今日こそ立ち食いうどん、と構内を探すが、小ぎれいなカフェばかりで立ち食いは見当たらず。中にならあるかと思い、改札を入るが、ホームにも見つからなかった。そんなにこだわっているツモリはないが、関西に来ると、一度は立ち食いうどんを食べておきたくなる。


9時の新快速で出発。そのあと、米原、大垣で乗り換え、豊橋で途中下車。1時間近く余裕があるが、駅の外に出るのが面倒で、駅ビルのそば屋で昼飯。早めにホームに出て、電車を待つ。豊橋を2時前に出発、静岡、熱海と乗り換え。東京駅には7時頃に到着。夕方になってからは、さすがに腰が痛かった。


車中読書は、小林信彦対談集『いちど話してみたかった デラックス・トーク』(情報センター出版局)。対談相手は、大瀧詠一佐藤信ビートたけし安藤鶴夫古今亭志ん朝長部日出雄大島渚渡辺武信横溝正史。まえがきに「ぼくは嫌いな人とは同席したくないタチだから、そういう人たちとの対談はあり得ない。なんらかの意味で好きな人たちとの対談のなかから、編集部がダイナミックにえらんだものが、この一冊になった」とある。『日本の喜劇人』単行本に収録(文庫では削除)されている佐藤信との対談と、『東京のロビンソン・クルーソー』に解説として収録されている長部日出雄との対談がとくにオモシロかった。後者では、小林信彦が喧嘩相手の頭に味の素をパッパッパッパッと振りかけ、そのあとスイッチ・ナイフ(飛び出しナイフ)を取り出したというエピソードが。ただ、この本、版元の編集者の意向だろうが、タイトルも装幀もはなはだ小林信彦っぽくない。帯の「とてもデラックスしている対談集」とか、章タイトルが「なつかしさ、なのかなあ」「感動、だよね」「みつめて、きたんだなぁ」となっている辺りは、「寒い」としか云いようがない。なんだ、その「、」は。それと、巻頭に置かれている大瀧詠一との対談は本書のための語り下ろしなのだが、まとめかたがうまくない。もっと面白くできるハズだが。この本や『映画につれてって』(キネマ旬報社)をベースに、単行本未収録の対談も加えた、「小林信彦対談選集」というべき本が出たらイイのにねぇ。


電車に長時間乗っていると間が持たないので、本を読むしかない。もう一冊、田中小実昌『灯りさがしてぶらり旅』(桃源社)を読む。主人公(キャバレー情報誌の集金人と設定されているが、ほぼコミさんそのまま)が、各地を回って「おんな屋」で女と会い、いっしょに寝るというパターンの繰り返しだが、今度はどんな女が登場するのだろうと愉しみながら読んだ。


さて、ウチに着いたのは7時半。ちょっと休んで、東京駅で買ったシューマイなどで晩飯。その後、たまっていたメールの返事を書いたり、片づけをしたりしていると、時間が過ぎる。アセテートから長嶋康郎『ニコニコ通信』到着。このサイズがいいね。記念の缶バッヂも一緒だった。