三ノ輪−日暮里・不動産屋ツアー

朝8時半起き。盆の間は隣の工事も休みなので、読書が進む。そういえば、昨日届いた『日本古書通信』の短信に、平凡社から八木福次郎さんの『書痴斎藤昌三と「書物展望」』(仮題)という本が出るコトになったとある。今年中に出るのだろうか。楽しみだ。畠中さんからは、〈書肆アクセス〉での岡崎武志フェアの小冊子が届く。三種類の表紙、どれもイイ。フェア関係の本を購入したヒトに進呈されるとのこと。林哲夫さんからは、スムース文庫新刊の松本八郎加能作次郎 三冊の遺著』が届く。「なるべく一緒に出したい」と云われていた『古本漫画』は、まだ。どうしても載せたいマンガ家の新作をずーっと待っているのだ。何度となく催促しているが、ここのところご本人とまったく連絡が付かず、シャレにならない状況になりつつある。でも、もうちょっと粘らせてほしい。


旬公と自転車で日暮里へ。一昨日、韓国のお客さんを案内したときに、〈間間間〉(http://blog.sankenma.com/)がカフェとしてオープンしていたのが気になって、行ってみるコトにしたのだ。まだ営業前だったが、「よかったらどうぞ」と入れてもらう。古い商家(たぶん)をそのまま使って、カフェにしている。土間のテーブルに座る。今日は、毎月一度、女の子二人が運営する〈喫茶白猫〉の日だというので、白猫コーヒーというのを飲む。カキ氷も出していた。


土間にガラス付きの古い本棚が置いてあり、そこに、誰の蔵書だろうか、何十冊か本が収められている。そのナカに、東京都交通局『都電60年の生涯』(1971)という函入りの大きな本を見つけ、開いてみる。都電に関する本は最近でも何冊かあるが、写真集みたいなのが多くて、資料としては使いづらい。しかし、この本は戦前から1971年までの都電の変遷を写真でたどるとともに、都電の歴史や系統図まで詳しく載っている。コレは手元に置いておきたいなあ。巻末に識者による「市電・都電の思い出」があるが、冒頭に池田文痴菴が。例によって史料を引きながらのコメントなので、ほかのヒトよりも長いのがこのヒトらしい。同書には「電車唱歌」のソノシートも挟み込まれていた。「ひだりに きゅーじょーを ながめつつ/とーきょーふちょーを みぎにみて/ばばさきもんや わだくらもん/おほてーまちには ないむしょー」。コレが2番で、52番もあるらしい(以下でメロディーが聴ける。http://www.interq.or.jp/japan/k3j/song/meiji%20middle/densya%20syouka.htm)。一方、旬公は同じ棚の、世界の籠図鑑みたいな本を見て、コーフンしていた。ヘンな二人組だ。


初音小路入口の〈一力〉で、ギョーザとラーメン大盛りを食べ、日暮里から適当に走って、三ノ輪へ。いつもの古本屋で、阿佐田哲也の新書を一冊100円で4冊と、中古ビデオで《暴行切り裂きジャック》を1500円で。ちょうど観たかったので、いいタイミング。駅前の不動産屋2軒に行くが、いずれも盆休み。貼り紙だけ見る。根岸のほうへ移動しながら、不動産屋があると止まって貼り紙を見る。最後に日暮里の繊維街に行くと、一軒だけ営業していたので、入ってみる。数件紹介されたうち、一件だけ見てみるコトにし、車で連れて行ってもらう。町屋の駅の近くのマンションで、新しいし広さもソコソコあるのだが、たぶんココに決めることはないだろう。まあ、時間をかけて、いくつも物件を見ていくしかないね。日暮里、西日暮里、谷中、根津、三ノ輪、南千住、根岸、入谷、町屋あたりで、安くて(12万円以内)、広い(50平米以上)マンションあるいは貸家の情報をお持ちのかたは、ぜひぜひ教えてくださいませ。不動産屋さんにもとの場所に送ってもらい、日暮里駅近くの喫茶店で涼む。


ウチに帰り、東野圭吾鳥人伝説』(新潮文庫)を読む。日記ではいちいち触れてないが、ココのところ、図書館で未読の(あるいは読んでいてもすっかり忘れている)東野作品を借りてきては読んでいる。この作品はまあまあ。夜はカレーをつくる。すりおろしたトロロを投入すると、味に深みが出るコトを知る。テレビでローランド・エメリッヒ監督《GODZILLA ゴジラ》(1998、米)を、そのお気楽極楽に突っ込み入れつつ観てしまった。