バルサンと古本市

朝8時に起きて、食器類や衣服をゴミ袋に詰める。捨てるのではない。こないだから小さな虫が発生して、バルサンを焚くコトになったので、その準備だ。1時間ほどかけて、なんとか用意が出来たので、二カ所にバルサンを設置して、液を噴霧してから二人で家を出る。ぼくは千代田線で代々木公園へ。クラクラするような暑さのナカ、駅から10分ほど歩き、オリンピック記念青少年総合センターに到着。ロビーで涼んでいると、『進学レーダー』の編集者とカメラマンが到着。1時間半ほど取材。


終わって、センターの前から新宿西口行きのバスに乗る。新宿中央公園とか、十二社(じゅうにそう)とか、昔からの新宿を感じさせるルートを通る。バスのナカから京王百貨店を眺めたら、古本市の垂れ幕が。おお、今日からだったか。ココの目録は最近なぜか送ってこなくなったので、いつからやるかも知らなかった。せっかくなので、7階催物売り場へ。初日の午後イチだが、思ったよりはヒトが少なかった。出品店数が多いので、一回りするだけでも1時間以上かかった。


買ったのは以下の6冊。関根弘『わが新宿!』(財界展望新社)1000円、グループ・コア編著『新宿24時間全部の本』(文潮出版)500円、田村隆一すばらしい新世界』(新潮社)800円、堀切直人『ヘルメスは自転車に乗って』(沖積舎)315円、『映画秘宝 エド・ウッドとサイテー映画の世界』(洋泉社)500円、永島慎二漫画家残酷物語』第1巻(ふーじょん・ぷろだくと)600円。どれも適価でしょう。


新宿から目白へ。腹が減ったので昼飯でもと思うが、2時半なのでドコも開いてない。すきっ腹を抱えて、〈ブックオフ〉を覗くが買わず。池袋方向へ歩き、〈ブックギャラリー・ポポタム〉(http://popotame.m78.com/)へ。住宅街のなかに、ひっそりという感じで、営業している。木のフロアがいい。手前は絵本を中心とした古書、ミニコミの販売スペース、奥がギャラリーになっている。現在ココでは「高地遺産 失う前に、もう一度」展が開催中だ(8月14日まで)。高知の街中で見つけたヘンな建物、気になる店、美しい風景などを、地元のアーティスト30人が撮影したもの。すでに閉店した〈タンポポ書店〉の写真もある。自動的に投影されているスライドも、しみじみといい写真が多い。ギャラリーでは関連イベントもある。第一回はもう終了したが、8月7日(日)6時半より「沢田マンション・ナイト」が開かれる。沢田マンションとは、こういうトコロです(http://www.sawaman.com/)。


もともとは高知で行なわれたこの展覧会をまとめた『高知遺産』(ART NPO TACO)1800円を買う。ポポタムの共同経営者である大林えり子さんに挨拶。ミニコミ『harappa』など子どもをめぐる出版を手がけている。この店は今年4月からはじめたそうだ。貸ギャラリーとしても使えるらしい。かなり広いので展示もイベントも十分できそう。こちらのDMを置かせていただいた。そのあと、大林さんに教えてもらった「骨董通り」(目白にもあるのだ)の〈貝の小鳥〉という絵本専門の古本屋を覗く。おもちゃも置いていた。駅まで戻り、立ち食いそば屋で、冷し天ぷらそば。山手線で帰ってくる。


ウチの近くで、ちょうど帰ってきた旬公と会い、部屋の中へ。さて、バルサンの効果は……と見るが、死んでる虫はあまりいない。でもまあ、少しは駆除されただろう。何年も敷きっぱなしの床マットを新しいのに取り替え、干しておいた布団を取り込む。少しは人間らしい生活に近づいたか。ちょっとヨコになったら、2時間ぐっすり寝てしまった。林哲夫さんから『coto』、松本八郎さんから追手門大学にできた「宮本輝ミュージアム」の絵葉書をいただく。一昨日、新刊を買ったコトを書いたら、山川直人さんから2冊ともサイン入りで贈っていただいた。もう一冊は新作の『コーヒーもう一杯』第1巻(エンターブレイン)だ。


晩飯は、昨日の味噌汁をご飯にぶっかける。のどごし、さわやか。ビデオでロバート・アルドリッチ監督《クワイヤ・ボーイズ》(1978、米)を観る。ほぼ全員が落ちこぼれという警察署が舞台になっていて、下ネタ、ホモ・ゲイ差別、性差別、黒人・プエルトリカン差別のオンパレード。前半は、後年の《アニマル・ハウス》を髣髴させる(ジョン・ベルーシみたいなバカも出てるし)乱痴気騒ぎで、くだらないけどけっこう笑える。しかし、後半30分ほどで一気にへヴィになる。