コクテイルでブルースを

朝8時半起き。あることを調べるためにグーグルで検索していたら、「アンティークウォーカー」(http://www.a-walker.co.jp/)というサイトが出てくる。ドコかで聞いた名前だなあと思ったら、岡山の〈万歩書店〉が運営するサイトだった。3月の岡山−出雲ツアーのときには、URLが公開されているにもかかわらず、工事中だった。見てみると、これは名前通りのオークションサイトで、ぼくが知りたい店舗情報は下の層(http://www.a-walker.co.jp/about_shop.php)まで行かないと出てこない。最低限の情報提示ではあるが、ないよりマシであろう。


午前中は『進学レーダー』の原稿。中学入試の面接についての記事。まったく知らない世界なので、先生のハナシをまとめる前に、資料を読み込むので時間がかかった。それでも2時間ほどで書き上げる。どんなテーマでも、字数通りに原稿が書けると気持ちがイイ。昼飯はチーズを乗せたトースト。そのあと、手紙を書くなどの雑用。ビレッジプレスより『ぐるり』最新号が到着。ぼくの連載「ふたたびの音」、今回はふちがみとふなとを。冒頭インタビューは渋谷毅。めったに雑誌などで見かけないヒトだけに、貴重な記事だけど、このまとめは内輪すぎるのでは……。ちょっと惜しい気がする。


3時半に旬公と出て、有楽町へ。〈ギャラリー・アガペー〉というトコロで、「洲之内徹コレクション もうひとつの気まぐれ美術館」という展示をやっているのだ。聞いたことないギャラリーだと思い、調べると銀座教会の中にあるのだった。行ってみると、プランタンの並びに教会があり、その中にたしかにギャラリーがあった。しかし、壁面はたしかに「もうひとつの気まぐれ美術館」として、洲之内コレクションらしき10点が飾られていたが、その下では焼き物の展示即売会をやっていて、落ち着かないコトはなはだしい。絵の展示のほうも、洲之内の名前もないし、絵のタイトルと作者が表示されただけのじつにそっけない展示だった。洲之内の本はだいたい読んでいるが、展示されている絵のうちですぐ思い当たるのは峰村リツ子だけだった。


銀座線で三越前まで行き、乗り換えて半蔵門線で神保町へ。〈書肆アクセス〉に行くと、畠中さんが「『チェコマッチラベル』初回入荷はぜんぶ売れましたよ」と云ってくれる。といっても10冊だけど、嬉しいね。新刊の大屋幸世『追悼雑誌あれこれ』(日本古書通信社)と、勝川克志さんの手づくり豆本『漫画小夜曲(セレナーデ)』(魔法堂)を買う。〈ぶらじる〉へ行き、じりじりと進んではいるらしい「神保町路地裏マップ」の打ち合わせ。ぼくは関わってないので、畠中さんと旬公のハナシにときどき茶々を入れる。そのあと、濱田研吾さんと右文書院の青柳さんが『脇役本』にサインを入れにやってきたのを機に、ぼくは店を出る。お茶の水まで歩き、〈ディスクユニオン〉で、[電気グルーヴスチャダラパー]と[陽気な若き博物館員たち]を買う。


中央線で高円寺へ。駅前のめったやたらと安い八百屋で桃を買う。500円で10個を大袋に詰めてくれる。今日は〈古本酒場 コクテイル〉で、ブルースシンガー(でいいのでしょうか?)のAZUMIさん(http://azumisroom.at.infoseek.co.jp/)のライブがある。すでに『ぐるり』の五十嵐さん、荻原魚雷さんほかが来ていた。AZUMIさんのギターは繊細で複雑な響き、歌はしぶい。アップテンポのときに踏み鳴らす足は、バスドラを踏んでいるぐらいにタイトだ。いやー、かっこいい。コーヒーについての曲が2曲もあったし、アンコールの最後にやったフォーク調の曲もヨカッタ。演奏のはじめと最後に、「よろしくお願いします」「ありがとうございました」とじつに丁寧に挨拶されるのも、人柄のよさが感じられる。


ライブが終わってから、向かいのカウンターに石丸澄子さんが来る。その隣にいた青年に紹介される。「ささま書店の野村くんです」。はいはい、よく存じてます。店でも何度も見かけているが、挨拶するまでにはいたらなかった。これからは声をかけます。そのあと、魚雷さんの奥さんも加わって、あれこれ話す。11時、先に店を出る。ほかのヒトはみんなこの辺に住んでいるのだ。ウチに帰り、片づけをしたり、メールを書いたりすると2時前になった。明日は朝から「せどりツアー」だ。