書店めぐりと『脇役本』

朝8時半に起きる。今日も味噌汁ぶっかけ飯。単行本の企画を考え、2時間ほどかけて文書にまとめる。『彷書月刊』8月号が届いている。特集は杉山茂丸。ぼくの連載、今回はゲイライター・影坂狩人さんのブログ(http://karuto.blog8.fc2.com/)を紹介。ざっと目を通したら、誤植を発見。最後から3行前、「愛称がイイ」→「相性がイイ」です。いかにもな変換ミスで恥ずかしい。


11時過ぎに出て、池袋へ。車中、青猫書房の目録を見る。今回はイイのが多かったなあ。大久保栄吉『私の創刊号物語』(私刊本)4500円とか、植草甚一『ジャズの前衛と黒人たち』真鍋博への献呈署名本が7000円とか。池袋駅の構内から電話して、「浅草六区の世相」「都下のカフェーとバー」などの文章が入った、吉野臥城『諸国拝見 日和下駄』(日本評論社、大正9)7500円と、戸板康二の古希記念に出された『戸板康二著作一覧』毛筆署名入り、2000円を注文するが、いずれも品切れ。クヤシイなあ。青猫の目録は、いつも朝イチで見るようにしているのに、かならず先に注文されている。ホントに同じ日に届いているのかねぇ? 


久しぶりに〈リブロ〉へ行く。文芸のフロアの奥に、「本の本」や古本本コーナーがあるのだが、ここのところ、ホトンド手が入っていない。今日なんかは、平積みの本の上に、品出しの途中らしい別の本が積み重ねられていた。ダメだ、これじゃ。紀田順一郎『カネが邪魔でしょうがない 明治大正・成金列伝』(新潮選書)、コミック売り場で、安野モヨコ働きマン』第2巻(講談社)を買う。2階のアート本コーナーで、『チェコマッチラベル』の面出しを確認。売れてほしいなあ。ココでは、桂千穂『多重映画脚本家 桂千穂』(ワイズ出版)と、『映画秘宝』最新号を買う。


西口に出て、〈八勝堂書店〉の均一を見る。昔の『宝石』が一冊300円で出ていたので、何気なく手に取ったら、真鍋博の表紙だった(1964年3月号)。ナカには「ある作家の周囲 河野典生篇」という記事があり、メインの文章を「大伴秀司」が書いている。コレはあの大伴昌司である。この連載のコピーは持っているが、掲載誌は初めて見た。もう一冊は新章文子篇だった。いま見る、この時期の『宝石』は小説もエッセイも充実している。


その近くの某学園で、『進学レーダー』のIさんほかと待ち合わせ、受験の取材。畑違いなので大丈夫かと思ったが、ハナシが上手な先生で判りやすかった。終わって駅の方まで戻り、池袋には似合わないオープンカフェで、パスタのランチを食べる。Iさんと今後のコトをいろいろ打ち合わせる。そのあと、丸の内線で淡路町へ。錦町の〈カフェ・クルーゼ〉で、今度から働くコトになる会社の編集者Tさんと会い、仕事の進め方などを聞く。こちらからは、企画を10数本出す。このうち何本かが実現できれば、オモシロイのだが。


6時に〈書肆アクセス〉へ。『チェコマッチラベル』5冊売れたとのこと。ひょっとして、この本にはサインしないほうがイイのかもと思ったが、畠中さんがススメるので5冊サインした。ですので、サイン本がほしい方はそちらへどうぞ。川崎彰彦『夜がらすの記』(編集工房ノア)を買う。そのあと、〈東京ランダムウォーク〉〈三省堂書店〉4階と回って、『チェコマッチラベル』が置いてあるのを確認。版元がデザインものメインなので、美術・デザインの棚に置かれているが、サブカルとか女性もののコーナーにも置けば、けっこう動くと思うのだけど……。


久しぶりに新刊書店をハシゴしたので、欲しい本が何冊もあった。つい全部買いそうになったが、いまの状況を思い出して、ガマンする。書名だけメモしておこう。笠原和夫『「仁義なき戦い」調査・取材録集成』(太田出版)3200円、深沢七郎『生きているのはひまつぶし 深沢七郎未発表作品集』(光文社)1600円、波潟剛『越境のアヴァンギャルド』(NTT出版)3200円、『中村とうようの収集百珍』(ニューミュージックマガジン社)2800円。中村とうようのはオールカラーで、表紙は矢吹申彦。なかなかソソられる本だ。『越境のアヴァンギャルド』には、飯島正論が入っている。


7時、濱田研吾くん、右文書院の青柳隆雄さんと待ち合わせ。三省堂の地下に行くも満席で、向かいの〈さくら水産〉へ。右文書院から出る濱田くんの『脇役本 ふるほんに読むバイプレーヤーたち』(2200円)を戴く。帯は「細川ちか子のインタビュー本、高橋豊子のパリ本、中村是好の盆栽本、龍岡晋の句集、宮口精二ミニコミ誌――古本のなかの『主役』たち」とある。滝沢修有島一郎を選ばずに、よりマイナーな人(だってフツー知りませんよ、龍岡晋なんて)を帯に載せた辺りに、青柳さんの入れ込み具合がうかがえる。古本のなかの「主役」たち、は名コピーです。口絵には取り上げた役者たちの写真、本文には書影が。表紙はちょっと地味だったかな。ともあれ、ヨカッタヨカッタ。畠中さんもあとから参加して、大いに飲む。


11時ごろに解散して、青柳さんと千代田線で帰る。ウチに着くと急激に眠くなり、布団を敷いて、安野モヨコ働きマン』を読む。うう、今回もシミるなあ。《タモリ倶楽部》を半分見たところで、眠った。