カウンター嫌い

すっきりしない目覚め。暑いし、窓開けたら蚊が入ってくるしで、今年初めてエアコンを付けた。午前中、仕事場へ。まだまだ整理が終らない。合い間をぬって、遅れていた『進学レーダー』の原稿を書く。


6時過ぎに出て、有楽町線で有楽町へ。地下から〈ビックカメラ〉に入り、外付けハードディスクを買う。確認すべき仕様をメモしてきたが、それでも、欲しいのにたどり着くのに時間がかかった。いつも書くコトだけど、コンピュータ周りの機器を買うときに、ワクワクしたことは一度もナイなあ。


日暮里で降りて、〈千尋〉に行く。一人で入るのは珍しいので、「奥さんはどうしたんですか?」と訊かれる。生ビール、ホタテとアスパラ炒め。この店、魚はウマイし、酒も焼酎も充実しているし、ご飯ものもあるし、客をほっといてくれるしと、云うことのナイのだが、カウンターに座るのは苦手だ。ココに座っている常連っぽいヒトたちの会話を聴かされるのが、なんか苦痛なのである。今日も夫婦と女性が、「うまいもの」談義をしていた。三ノ輪や南千住の飲み屋では、カウンターに座っても、隣の会話が気になったコトがないのだが。鮭とタラコのお茶漬けを食べて、とっとと出る。


ビデオ屋に寄ると、《戦国自衛隊》(1979)のDVDがあった。新作をやるというので、なんとなく観たくなっていたのだが、いままで貸し出し中だったのだ。借りてかえって、さっそく観る。冒頭のシーンから、タイムスリップの途中にタイトルが入るという、SF映画史上例を見ない演出。そのあとも、異常事態なのに、ワリとみんなあっさりタイムスリップという説明を受け入れる。自衛隊千葉真一と戦国武将の夏八木勲がフンドシ姿で語り合うシーンは、ステキすぎる。さらに、「歴史に介入して天下を取ってしまえば、タイムスリップが起こって元の時代に戻れる」という超ゴーインな展開(原作も同様だが、もうちょっと理屈付けがあったような……)。百姓娘と自衛隊員のあいびきという、《七人の侍》以降の伝統を汲んだ(?)シーンもある。武田信玄と戦う場面では、正々堂々の一対一の勝負なのに、無情にもピストルでケリをつける。すべてがツッコミどころ満載で、でも、オモシロイ。2時間以上あったけど、一気に観た。角川映画は当時は「子どもだまし」というとらえ方をされていたが、いまから見ると、いかにバカバカしいストーリーでも、カネとスタッフが投入されているというだけで、ちゃんと「映画」になっているのだ。


昨日のことだが、西村義孝さんから、『マイクック』という雑誌の1968年9月号が届いた。この号に、池田文痴菴が「明治百年・洋菓子のあゆみ」という文章を書いているのだ。コレが知らなかった、感謝! ほかに、ミリオン出版のYさんから、木村聡『消えた赤線放浪記』(本体1700円)を送られる。表紙と口絵に引き込まれる。装幀は中山銀士。今日は平凡社から『原弘 デザインの世紀』(本体2800円)が届く。原弘がほうぼうに書いた文章を年代順に並べた、新編集の論集。なんと、作品集以外には本書がはじめての著作なのだという。原だけではなく、同時代の多くのデザインの図版が豊富に引用されている。コレは手元に置いて、活用したい。


今日の「ウラゲツ・ブログ」(http://urag.exblog.jp/)で、図書館流通センター(TRC)サイトの「ブックポータル」(http://www.trc.co.jp/trc-japa/)が8月半ばで終了するコトに触れている。ぼくも2ヵ月ぐらい前にこの知らせを読んで、ショックを受けていた。毎日6時ごろに更新される「今日の新刊」を、だいたい欠かさず見て、地味な版元の新刊の発売を知っていたからだ。この「今日の新刊」は、オンライン書店bk1」に引き継がれるらしいが、ウラゲツさんがおっしゃるとおり、いまのところ、同サイトの新刊情報はとても使えない。「ウラゲツ・ブログ」では、ほかにも「ブックポータル」中止にともなう問題点を指摘している。