いいコトは一緒にやってくる

朝、旬公を病院に送り出してから、いつもより早めに起きて、本を読んだり、フロに入ったりする。11時に出て、山手線で池袋へ。〈リブロ〉か〈ジュンク堂〉で時間をつぶそうかと思ったけど、今月は買う新刊を減らす実験中なので、寝た子を起すこともないだろうと、寄らずにおく。西武池袋線練馬駅へ。昔、降りたことがあるような気がするが、覚えていない。


最近、お出かけ時には携帯している野村宏平『ミステリーファンのための古書店ガイド』(光文社文庫)を見て、まず〈一信堂書店〉の前まで行くが、時間が早いせいか、まだ開いていない。千川通りに戻り、歩いて3分ほどのところにある〈ブックマート桜台店〉へ。野村本にもあるように、新古書店の店構えながら、絶版文庫や文芸書まで置いてある。いい本があるが、その分、高めだ。そういえば、古書店に行くのも一週間ぶりぐらいか(〈古書ほうろう〉でさえしばらく顔を出してない)。本を処分している最中だから、自分の中での「本を買う基準」が大きく変わらざるを得ない。一冊一冊手にとっては、「これ、買ったとしても、読まれないままに処分されるのではないか」と悩んでしまう。逆に云えば、この数年は、スペース的にも金銭的にもまあまあ恵まれて、あまり悩まずに本が買えていたのである。よく考えたら、いまのほうがフツーの状態なのであった。


とはいえ、中町信『新人文学賞殺人事件』(徳間文庫)なんかを見つけたら、買わずにはいられない。これは先年話題になった『模倣の殺意』(創元推理文庫)の原型(改稿前のバージョン)である。ほかに、芦辺拓メトロポリスに死の罠を』(双葉文庫)、『歴史街道殺人事件』(徳間文庫)、『地底獣国(ロスト・ワールド)の殺人』(講談社文庫)の三冊を見つけたので、買う。そのあと、ラーメン屋で昼飯を食い、〈ブックオフ〉を覗くが、ナニも買わず。


江古田駅まで戻り、『進学レーダー』のIさん、カメラマンと待ち合わせ。M学園の中・高等学校と大学の図書館を取材する。資料を見たら、この大学の学長が、ある出版社の創立者の子息であるコトが判り、ひとりコーフンする。偶然にも一昨日、松本八郎さんと、そのS書店のことをさんざん話していたトコロなのである。終ってから、〈デニーズ〉でIさんと今後の仕事について話す。江古田の〈ブックオフ〉に入る。ココはいい本を揃えてると思うんだけど、買いたくなる値段じゃないんだよなあ。


携帯に連絡があったので、ウチに帰ってから、某出版社のHさんにお電話する。『季刊・本とコンピュータ』最終号をご覧になり、「こんな雑誌が終るのは惜しいです」と何度も云ってくださる。来週にでもお目にかかることになった。好きな版元なので、なにかやらせてもらえればイイなぁ。また、右文書院の青柳さんからもメールがあり、預けておいた企画が通ったとの返事だった。旬公も、数年連載してきたテーマがやっと本にまとまるコトになり、デザイナーと打ち合わせしてきたというし、今日はなんだかいいコト(ぬか喜びに終るかもしれないことも含めて)が一緒になってやってきたようだ。この1、2カ月、「なんでこんなにメンドいことが続くのか」と思っていたが、いいコトも悪いコトも団子になってやってくるんですね。とりあえず、いい気分で数日過せるというだけで、嬉しい。そのせいか、滅多にないコトだが、サッカーの日本×北朝鮮戦を、テレビで最後まで眺めてしまった。